外国で交通事故に遭った時の対処方法とは?
今度、友人とハワイに行く予定なのですが、「車があった方が便利」ということでレンタカーをする予定です。ただ友人も私も海外での運転は初めてで、かなり不安を抱えています。もしも、万が一、ハワイで事故を起こしてしまった場合は、どのような対処方法をとればいいのでしょうか?
慌てずに警察へ電話を。レンタカー会社へも早めに連絡しましょう。
海外での不慮の事故、レンタカーを借りたときの自動車事故について、対処の手順は次の通りです。どのような国や地域でも、まずは人命救助を第一に考えましょう。安全を確認してから、行うなかで重要なことは、①警察への報告と②保険会社・レンタカー会社への連絡、③事故相手の情報収集の3点です。
例えばオーストラリアの場合、事故発生後24時間以内に両当事者が管轄の警察へ事故報告することが義務付けられており、インターネットでの報告も可能。警察は、人身事故や車両の移動が必要な重大事故の場合に駆けつけますが、軽微なケースのときは立ち合いません。事故相手の氏名・住所・電話番号・勤務先、ライセンスナンバー(運転免許所の番号)、加入保険会社、車種・色、ナンバープレートを、自分で記録しておく必要があります。できれば現場の写真を撮っておくことをおすすめします。
不慮の事故なら誰しも気が動転します。そのようなときに言葉に自信がなかったら、保険会社の日本語サポートを頼るのも一案です。海外旅行保険では、電話や対面での日本語サポートが含まれている場合があります。もしもの場合に備えて、加入している海外旅行保険のサポート内容を確認しておきましょう。保険会社との交渉も、日本語サポートが受けられるのであれば、これ以上、心強いことはありません。時差がある海外でも、24時間対応してくれるので安心です。
ここでは米国ハワイでのケースでご紹介します。
1:安全を確認してから、すぐに警察へ電話をかける
緊急911/ホノルル警察Non-emergency(ノン・エマージェンシー)808-529-3111
事故現場を去らないのが基本です。まずは、路肩など安全な場所に車を停めて警察へ通報します。消防や救急車の出動が必要な場合は、緊急電話番号911へ。緊急以外の電話は、地元警察のNon-emergencyへかけるようにします。
伝える内容は
(1)自分の名前
(2)事故現場の場所
(3)事故の状況など、
落ち着いて正確に、簡潔に伝えましょう。
2:レンタカー会社へ連絡をする
それと同時に、レンタカー会社へも電話を入れます。レンタカー会社の電話番号は、契約書面に記載されています。のちの保険会社との対応も、レンタカー会社の指示に従うようにします。ちなみに、警察に事故報告する前にレンタカー会社へ連絡するのでも構いません。通常レンタカー会社では、契約時に、万一のときの事故対処マニュアルを書面で渡すか、車載しています。その手順に従って行動するようにしましょう。
3:事故相手の情報を得る
警察が到着するまでの間、事故相手の情報を得るようにします。
(1)相手の名前と住所、連絡先(携帯電話など)、勤務先、ナンバープレート
(2)保険会社名、保険のポリシーナンバー
(3)車種(メーカーや年式)や色など
をメモするようにします。運転免許証や自動車保険証券(カード式)を互いに見せ合うなどします。
4:警察との対応
警察官が到着したら事故の状況を伝え
(1)運転免許証
(2)レジストレーション・カードRegistration Card(車の登録証)
(3)自動車保険証券
を提示します。レンタカー会社との契約書面も、提示を求められることでしょう。
警察が調書を作成して現場を離れたら、レンタカー会社へ車を返却に行きましょう。以降、保険会社との話し合いになりますが、レンタカー会社が手順を説明してくれます。
海外での自動車事故で注意したいのは、お手持ちの運転免許証の種類です。日本の運転免許証ではなく、有効な国外運転免許証(日本の警視庁などで発行されるもの)もしくは現地のドライバーズ・ライセンスカードを持っていなければ、無免許運転の扱いとなり法に裁かれます。レンタカー会社が車を貸してくれたからといって、免許の有無を保証してくれるわけではありません。また国外運転免許証は、ジュネーブ条約加盟国でのみ有効です。非加盟国では効力がありませんから、注意しましょう。ジュネーブ条約加盟国は、インターネット等で確認することができます。
観光ジャーナリスト 千葉千枝子
日本の明日を担うインダストリーとしての観光を応援しています。
旅をテーマにさまざまな角度から魅力やノウハウをお届けしています。旅は人生をより豊かにしてくれるツールです。古今東西、老若男女のエネルギーの行く先を、私、千葉千枝子が自信をもってナビゲートします。
【URL】 | http://www.longstaystyle.com/ |
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【経歴】 | 淑徳大学 教授。中央大学卒業後、富士銀行入行。シティバンクを経てJTBに入社。96年に独立、運輸・観光全般の執筆、講演活動を行うほか、TV・ラジオにも多数出演。観光人材の育成に注力する。 |
【著書】 | 「JTB旅をみがく現場力」(東洋経済新報社)、「観光ビジネスの新潮流」(学芸出版社)など多数。 |
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