海水浴場で体調が悪くなった時の対処方法とは?
子どもと一緒に、海水浴場に行く予定です。子どもにとっても初めての海遊びなのですが、もし途中で体調が悪くなった時などはどのように対処すればいいのでしょうか?また、海水浴で体調管理など気を付けておくべきことはありますか?
海や砂浜では実際の気温より体感温度が高い場合も!熱中症に気をつけましょう。
よく起こるのは、熱中症です。天気が良ければ強い日差しを受けることになりますし、海の砂浜や川の河原では太陽光線を反射しますので体感温度は、実際の気温よりもはるかに高いと考えられます。蒸し蒸しとする気温の高い屋外や、温度が高く、湿度の高い屋内などでも気がつかないうちにたくさん汗をかいていることがあります。汗は身体の皮膚温を下げる効果がありますが、活発に動けば動く程、大量に水分を失っていることがあり、身体の調整ができなくなると、頭痛やめまい、吐き気がしたり、体温が上がり、身体の一部がけいれんを起こしたりするようになります。
このような場合は熱中症が疑われます。水の中にいれば冷たいので大丈夫と油断しているといつの間にか起こってしまうので注意が必要です。熱中症の症状はだんだんとひどくなる事があり、急に元気がなくなり、ぐったりして力が入らないようになったり、真っすぐに歩けなくなったりすることや、意識を失う事さえもあり、毎年命を落とす例も後を絶ちません。調子が悪くなった場合はすぐに手当を行いその後の観察が重要です。
■手当
涼しい風通しの良いところで、楽な姿勢で休みます。
(1)水分補給をします。(一度にたくさんの量ではなく、口を湿らせる程度に数回に分けて水分をとります。)
(2)身体が火照っていたり体温が上がっていたら、氷水や冷たいタオルなどで冷やします。
冷たいシャワーを浴びるのもよいでしょう。
■回復しない場合
休んでも、水分をとっても体調が優れない場合は医療機関で受診しましょう。もしも意識を失うような場合にはすぐに119番通報をしましょう。
■熱中症の予防
(1)十分な水分補給をする
喉の渇きを感じる前に水分をとる。一度に大量の水を飲むのではなく少ない量を頻繁に!
(2)ミネラルの補給をする
主に塩分の補給を心がけます。しっかりと朝食、昼食をとることはもちろんですが、(1)の水分補給と合わせてミネラルウォーターなどがお勧めです
(3)日陰の涼しいところでこまめに休憩をとる
(4)特に炎天下や、気温、湿度の高いところに長時間いない
(5)できるだけ直射日光を避け、帽子を被ったり、長い時間肌の露出をしないようにする
(6)日焼けのために炎天下で寝てしまうことは避ける
熱中症の予防は体調を崩す前に行なう事が大切です。あらかじめ予防を心がけて楽しい時間を過ごしてください。
ライフセービング インストラクター 上野真宏
海や河川など水辺の危険を知って、海水浴やレジャーを安全に楽しみましょう。
海水浴にマリンスポーツ、釣りなど海や川には楽しいアクティビティがたくさんありますが 毎年、夏になると水難事故が多く起きてしまうのも悲しい事実です。 水辺の危険を事前にお伝えすることで、1つでも多くの事故がなくなることを願っています。
【URL】 | 日本ライフセービング協会 http://www.jla.gr.jp/ |
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【所属】 | 特定非営利活動法人 日本ライフセービング協会 理事・事務局長、 国際武道大学 体育学部スポーツトレーナー学科 非常勤講師 |
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