「土砂災害警戒情報」が発表された時の対処方法とは?
先日、両親が住んでいる地域で大雨が何日か続き「土砂災害警戒情報」が発表されたそうです。両親は、近所の方と協力して避難し、被害は受けずに済んだそうですが、「土砂災害警戒情報」とはどういった気象状況のことを指すのでしょうか?また、万が一、住んでいる地域で「土砂災害警戒情報」が発表された場合はどのように対処するべきでしょうか?
崖崩れと土石流の危険エリアにいる場合、避難準備か避難開始をしましょう
■「土砂災害警戒情報」が発表された際に注意すること
この情報は、大雨によって土石流と崖崩れの危険性が高まった際に発表されます。
・土石流や崖崩れの危険がある地域にいる場合は、避難準備か避難開始をしましょう
・数日間大雨が続いた場合、雨がやんでも土砂災害の危険はすぐに低下しないため、情報が解除されるまで沢や谷、崖地には近づかないようにしましょう。
■「土砂災害警戒情報」の内容と、発表時の対処方法
「土砂災害警戒情報」は、大雨によって土砂災害の危険が高まった際に、都道府県と気象庁が共同で発表する防災情報です。市町村単位の細かい単位で発表されるため、自宅や現在いる場所が対象地域に含まれている場合は、特に注意が必要です。
対象とする災害は土石流と崖崩れだけですが、より大規模な土砂災害である地すべり、深層崩壊、山体の崩壊などの危険も高まっていることになるため、情報として触れられていなくても注意が必要です。
土砂災害は被害が生じるまでの展開が早く、発生してからでは避難が間に合わない恐れがあります。避難勧告や避難指示が出ていなくても、「土砂災害警戒情報」が発表され、自宅が土砂災害の危険地域にある場合は、状況を見ながらなるべく自主避難しましょう
「大雨警報」や「記録的短時間大雨情報」が発表されている時に、合わせて「土砂災害警戒情報」が出されることがありますので、これらの発表は別々のものとしてとらえるのではなく、関連づけて注意を払ってください。
■「大雨特別警報(地面現象)」について
「大雨警報」が発表された後も雨が降り続き、50年に1度の降雨量となる大雨が、都道府県レベルまで広がり、今後も雨が降り続けると予想され、また大規模な土砂災害の危険が高まっていると予想された場合、「大雨特別警報(地面現象)」が発表されます。これは重大な災害の恐れが高まっていることを示します。
「大雨警報」は「土砂災害警戒情報」が発表された時よりも、より危険が身近に迫っていると考えられるため、直ちに危険を回避するための行動に移る必要があります。
備え・防災アドバイザー 高荷智也
身近な危機に対応できる、暮らしの備え・防災をお伝えします。
「備え・防災は日本のライフスタイル。」世界有数の災害大国日本において、私たちの身近に潜むリスクに対処するためには、生活の中に備え・防災を取り込む必要があります。個人と家庭の視点で、暮らしの備えをご案内します。
【URL】 | http://sonaeru.jp/ |
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【経歴】 | 2007年に本業のかたわらで始めた防災ブログが反響を呼び、2011年より防災をテーマとしたセミナー・執筆・メディア出演を開始。2015年に、屋号をソナエルワークスと定め、以来インターネットメディアや講演会などを中心に活躍中。1982年、静岡県生まれ。 |
【メディア】 | テレビ、新聞、雑誌など出演多数、生活者視点の分かりやすい防災アドバイスに定評がある。著書に「中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド(2015年)」、他。 |
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