トラブル解決術

  • ジャパンダのデータ研究所

「避難指示」「避難勧告」が発表された時の対処方法とは?

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災害時などに「避難指示」や「避難勧告」という言葉を耳にすることがありますが、実際、自分の住んでいる地域で「避難指示」や「避難勧告」が発令された場合はどのように対処すればいいのでしょうか?また「避難指示」と「避難勧告」ではどのような違いがあるのでしょうか?

自宅や滞在地が対象地域に含まれる場合は、速やかに避難しましょう

■非常時に出される警報の種類

高「警戒区域の設定」…事実上の避難命令、強制退去や違反罰則あり。

↓「避難指示」…災害発生が目前、またはすでに発生中の状態。

↓「避難勧告」…災害発生の可能性が明らかに高まっている状態。

低「避難準備情報」…災害発生の危険性が高まっている状態。


避難指示が出される状況では、すでに災害が発生している可能性があり、この場合避難自体が難しくなっている場合もあります。避難勧告が出された段階で、避難しましょう。


■「各種発表」の内容と、取るべき行動

●「Lv4:警戒区域の設定」

人的被害を伴う甚大な災害が発生している地域で発表されるのが「警戒区域の設定」です。従わない場合は強制退去をさせられたり、罰則が課せられることもある、事実上の「避難命令」です。警戒区域の設定時に避難をしない理由はありませんので、指示に従って安全な地域へ避難してください。


●「Lv3:避難指示」

大災害の前兆現象が見られたり、すでに人的被害が生じている際に発表されるのが「避難指示」です。違反罰則はありませんが、明らかな危険が近づいていますので、指定された避難所へ移動をしてください。すでに避難ができる状態でない場合は、自宅のできるだけ安全な所で危険をやり過ごします。


●「Lv2:避難勧告」

人的被害が発生する可能性が高まっている際に発表されるのが「避難勧告」です。災害が大きくなり避難指示のレベルになると、移動不能になっている状況も考えられますので、できるだけ避難勧告が出された段階で移動を開始してください。特に要援護者(乳幼児・妊婦・高齢者・傷病者・障害者など)や外国人がいる家庭の場合は速やかに避難を始めましょう。


●「Lv1:避難準備情報(自主避難の呼びかけ)」

避難指示や避難勧告ほどではないが、災害発生の危険が予想される場合に出される発表が「避難準備情報(自主避難の呼びかけ)」です。法的根拠はありませんが、要援護者がいる家庭の場合は避難を開始する段階で、その他の家庭では避難の準備を始める段階です。


災害予測の精度には限界があり、避難の指示に従っても空振りになることが多々あります。しかし、ここで行政判断を責めることは、自分と家族の命を他者に委ねる考えにつながります。避難したにもかかわらず災害が生じなかった場合も「被害が出なくて良かった」と思えるようにすることで、自分と家族の安全を守れるのです。


■「避難指示」「避難勧告」と「特別警報」について

「避難指示」や「避難勧告」が発表される際、その基準は市町村によって異なります。


「避難指示」や「避難勧告」が発表されていない場合でも、「特別警報」が発表された段階で、すぐに安全な場所(避難所など)へ避難したり、自宅の安全なところへ移動したり、命を守るための行動をとってください。


備え・防災アドバイザー 高荷智也

筆者の写真

身近な危機に対応できる、暮らしの備え・防災をお伝えします。

「備え・防災は日本のライフスタイル。」世界有数の災害大国日本において、私たちの身近に潜むリスクに対処するためには、生活の中に備え・防災を取り込む必要があります。個人と家庭の視点で、暮らしの備えをご案内します。

【URL】 http://sonaeru.jp/
【経歴】 2007年に本業のかたわらで始めた防災ブログが反響を呼び、2011年より防災をテーマとしたセミナー・執筆・メディア出演を開始。2015年に、屋号をソナエルワークスと定め、以来インターネットメディアや講演会などを中心に活躍中。1982年、静岡県生まれ。
【メディア】 テレビ、新聞、雑誌など出演多数、生活者視点の分かりやすい防災アドバイスに定評がある。著書に「中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド(2015年)」、他。

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