トラブル解決術

  • ジャパンダのデータ研究所

乳癌検診の受け方とは?乳癌検診の費用や流れ

  • Facebook
  • Twitter

最近、乳癌についてよくテレビなどで見聞きします。私も心配になってきたので検診を受けようと思うのですが、乳癌検診ってどうやって受けたらよいのでしょうか。費用についても教えてください。

役所や会社からの検診のお知らせを最大限活用しましょう。

女性の癌罹患率第1位である乳癌。国立がん研究センターの統計によると、乳癌は女性の癌の20%を占めており、女性にとってはまず第1に気をつけるべき癌といえるでしょう。


■30歳代から増加する乳癌

乳癌の罹患率は、さきほどの統計によれば30歳代から増加を始め、40歳代後半から50歳代前半でピークを迎え、その後減少することがわかっています。家庭でも職場でも、いろいろな役割や仕事が増えて大変な時期ということもあり、自分のことは二の次、となってしまうケースもあるかもしれません。しかし、健康であってこそ様々な活動が可能だということを考えると、やはり早期発見・早期治療のためにも乳癌検診は欠かせません。


とはいえ、乳癌検診というと、少し二の足を踏まれる方が多いのも事実です。毎日が公私ともに忙しいということもあるのですが、どんな検査をされるのかという不安や、どうも痛い検査もあるらしいといううわさ(もちろん、当たらずとも遠からずなのですが)、さらにはやはりどことなく恥ずかしい気持ちもあって、受けづらいのが現実のようです。


■まずは定期的に自己検診を

そんなときに、まず第1に取り組んでいただきたいのが乳癌の自己検診です。乳癌は自分で見つけることのできる数少ない癌でもあります。生理が終わった数日後など、自分で時期を決めてご自身で乳房を触診してみたり、妙な引きつれや変形、乳頭から血の混じった分泌物が出ていないかなどをチェックするのは、大変手軽かつ有効です。インターネットで検索してみると、自己検診に関するわかりやすいサイトもたくさんありますから、是非活用してみてください。


■乳癌検診の流れとは

そして、やはり乳癌検診を受けていただくことが大切です。内容には多少の差はありますが、基本的には触診・視診、エコー(超音波検査)、マンモグラフィー(レントゲン検査)などが一般的です。


■エコーとは

乳癌検診では通常、医師の診察前に検査が行われます。エコーは、個室かカーテンで仕切られたところにあるベッドに仰向けに横たわり、両手を頭の上にあげます。その状態で乳房と脇の下にゼリーをつけます。その上で、プローブといわれる機器を乳房や脇の下に押し当てて、乳腺の中にしこりのような部分がないか、脇の下のリンパ節に腫れているものはないかをチェックします。画面が見やすいように検査中は部屋のライトを暗くすることが多いです。


■マンモグラフィーとは

その一方で、マンモグラフィーは、放射線を使った検査です。検査室に入り専用の機械の前に立ちます。丁度胸のあたりの高さに台がありますから、その上に片方の乳房を乗せ、上から板状の装置をあてて挟みます。担当の技師さんがやってくれますが、このときに乳腺を挟むことによる痛みを訴える方もいます。そして、乳腺を押しつぶした状態でレントゲン撮影をします。片方が終われば反対側も行い、両方の乳腺内に石灰化を伴う腫瘤がないかどうかをチェックします。


■触診とは

これらの検査が終われば、医師の診察と問診(ご自身で触れるしこりはないか、乳頭から異常な分泌物はないかなど)のあと、再びベッドに両手をあげて仰向けに横たわります。医師が左右の乳腺と脇の下を触診し、しこりやリンパ節に触れないかチェックします。何もなければ、触診そのものは数分で終わります。


■自治体や職場の検診を活用しましょう

現在、乳癌の罹患率が高いということもあり、自治体や職場から35歳以上など一定の条件を満たした女性には、乳癌検診を受けましょうというお知らせが届くことが多いです。これらのタイミングをうまく活用して、時間を調整して受けられると良いでしょう。このような場合には、自治体や健康保険組合から補助が出ていることが多いので、費用負担は数千円程度から場合によっては無料のものまであります。


■自費で受ける場合

そういったものがなかったり、そのときに時間があわなかったといった場合には、15,000円から30,000円程度かかることもありますが、自費で受けることももちろんできます。最近では受付の方から看護師、放射線技師、医師も全て女性というレディースデーを週末などに設定している検診センターもあります。インターネットなどを活用していろいろな情報を調べて、いいなと思った施設で受けられると良いでしょう。


癌の検診については色々と意見もありますが、乳癌については自己検診をベースに、40代に入れば1年に1度の定期的な検診を受け、何か異常があれば少し詳しい検査をし、必要に応じた治療や経過観察を行うこと。そして結果が出れば、それに従って行動することが重要です。


医師・医学博士 狭間 研至

筆者の写真

健康的な生活を維持するために大切なことをお伝えします。

外科医として医療の現場で診療を行うとともに薬局運営も行う中で、病気予防の必要性を痛感しています。健康維持のために、日頃からできることや健康診断・検診の必要性をお伝えしていきます。

【URL】 http://www.pharmedico.com/index.html
【資格】 医師・医学博士
【執筆】 「薬局マネジメント3.0」(評言社)、「薬局が変われば地域医療が変わる」(じほう)、「薬剤師のためのバイタルサイン」(南山堂)、「薬局3.0」(薬事日報社)、「外科医 薬局に帰る」(薬局新聞社)、「がんにならないのは、どっち」(リンダパブリッシャーズ) など多数

※上記に関するご質問、お問合せは、原則受付けておりませんのであらかじめご了承ください。