トラブル解決術

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ガソリンを入れ間違えてしまった時の対処方法とは?

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まだ自動車免許を取得したばかりの友人が、セルフスタンドで軽自動車に軽油を入れてしまったそうです!入れ間違いトラブルは結構あると伺いましたが、もしそのまま走行したらどうなってしまうのでしょうか?ガソリンを入れ間違えた時の対処方法を教えてください。

ガソリンを全て抜き取る必要があります。

日本では多くの軽自動車や乗用車はガソリンエンジンが主流ですが、欧州では乗用車でもガソリンとディーゼルは半々くらいの比率で存在しています。そこでスタンドでの入れ間違えを防ぐために、欧州ではガソリンと軽油では給油口と給油装置の口の大きさが異なっているので間違えが起きません。ところが、最近日本でも乗用車ディーゼルがわずかですが、実用化してきました。そこで起こり得る燃料の種類の入れ間違えが心配です。


私は以前、乗用車ディーゼルに乗っていて、ガソリンスタンドのスタッフが間違えてガソリンを入れてしまうことを経験しました。幸い、エンジンをかける前に気がついたので大きな問題とはならなかったのです。その時は、燃料タンクからガソリンをすべて抜き出しました。


実際に燃料を入れ間違えるとどいうことが起きるのでしょうか。元々ガソリンと軽油では燃料の性質が大きく異なるためにエンジンの構造も異なっています。ガソリンは気化しやすい(空気と混ざりやすい)のですが、火が点きにくいので火種となるプラグを持っています。ところが、ディーゼルは軽油の性質上、空気と混ざりにくく、火が点きやすいのでプラグがありません。こうした違いがあるので燃料を間違えるとエンジンが壊れたり、あるいは不調となりやすいのです。エンジンの性能にもよりますが、ガソリン車に軽油を入れるとエンジンは始動しても、不調となるでしょう。またディーゼルにガソリンを入れても同じように不調を訴えるはずです。


日本では乗用車はガソリン、トラックなどの大型車はディーゼルと決めていますが、世界は乗用車でもガソリン・ディーゼル・天然ガス・LPG・メタノールなど多様化が進んでいます。本当の環境政策を進めるなら、エネルギーの多様化が必要なのですね。


モータージャーナリスト 清水和夫

筆者の写真

環境問題という点から車とエコについて解説します。

国内外の耐久レースで活躍する一方、モータージャーナリストとして自動車の運動理論や安全性能を専門にしつつ、最近ではクルマ好きが考える安全と環境をライフテーマとして執筆しています。

【URL】 http://kaz-administration.blogspot.com/
【メディア】 「ディーゼルこそが、地球を救う」(ダイヤモンド社)、「車安全学のすすめ」(NHK出版) 、「モーターマガジン」「ENGINE」「GENROQ」などで連載中、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレターとしての出演も多数。

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