トラブル解決術

  • ジャパンダのデータ研究所

自転車の子ども乗せ、基本的な乗せ方や事故防止のための注意点とは?

  • Facebook
  • Twitter

子どもが3歳になったこともあり、子どもと一緒に買いものに行く際の移動手段として自転車の購入を考えています。1人ではよく自転車に乗るのですが、子ども乗せの経験がなく、転んでしまわないか心配です。基本的な子どもの乗せ方や、事故防止のための注意点について教えてください。

子どもの身長、重量制限を守り、子ども乗せ専用自転車で安全走行しましょう。

子どもを送迎するため新しく自転車を買う場合には、子ども乗せ自転車を選びましょう。


BAAマーク(「自転車安全基準」適合品)適合の自転車がマスト!


子ども乗せの自転車を使用せずに、普通のシティバイク(ママチャリ)に、子ども乗せシートを後づけするという方法もありますが、その場合は設置場所がかぎられたり、リアキャリア(荷台)の制限重量規格をオーバーしてしまう可能性があります。子ども乗せ専用の設計でない分、ペダルが漕ぎにくくなったり、重量オーバーでリアキャリアが外れたりと危険です。


その点、子ども乗せ自転車は大型で頑丈なスタンドがついており、スタンドをロックするとハンドルも固定されるので倒れにくいだけでなく、ヘッドガードや5点式シートベルト、足が巻き込まれるのを防ぐフットレストなどが標準装備されているため安全です。


子ども乗せ自転車を選ぶ際にはBAAマーク(「自転車安全基準」適合品)が貼付されているかを確認しましょう。なお、幼児2人乗せ自転車には「幼児2人同乗基準適合車」というシールもあわせて貼付されていることを確認してください。


前乗り、後ろ乗り、それぞれ何歳から何歳まで?


前後に子ども乗せシートがついた幼児2人乗せ自転車の場合、メーカーにもよりますが、前乗せは1歳前後からとしているところが一般的です。しかし、それはあくまで目安なため、実際には子どもの成長によって調整し、1歳半~2歳くらいから乗せている人が多い印象です。


前乗りは4歳未満が対象となります。目安として身長100cm・体重15kgを超えたら、後ろに座らせます。子どもが小さい内はタオルなどを利用して体がずれないようにして乗せてください。


運転者から前乗りの子どもの様子は見えますが、後ろの様子はまったく見えません。そのため、後ろ乗りは親の言うことがわかるようになる2~3歳くらいから検討してみるとよいでしょう。後ろに乗せられるのは、法律で6歳未満までと決められています。また、目安として身長115cm・体重22kgを超えたら、子ども用自転車を買い与えるとよいでしょう。


後ろの子どもが寝てしまうとバランスを崩すことがあるので、運転中は時々、後席の子どもに声をかけてください。


子ども乗せ自転車の乗り方とは?


子どもを乗せての運転は、思っているよりもバランスを崩しやすいため、初めて乗る場合は、事前に練習をしてから乗るようにしましょう。


乗せる順番は、バランスを崩しやすい後ろが先で、前があとです。
逆に、降ろすときは前を先に、後ろはあとから降ろしてください。


兄弟で乗せる場合は、前席に弟、後席に兄を乗せることになるため、降ろすときは弟からになります。子どもが小さいうちは、降ろした瞬間に走り出すことがありますので、降りたあと離れないように言い聞かせるようにしましょう。また、子どもを乗せたまま親が自転車から離れると、親を追って降りようとするので危険です。


最初の漕ぎはじめは、ふらつきを起こしやすくなります。そのため、片足で乗る「けんけん乗り」をすると、バランスが崩れて転倒してしまう可能性があります。必ずサドルに座って、右足をペダルに載せた状態で漕ぎ出すようにしてください。


また、抱っこひものバリエーションが増えたこともあり、抱っこしたまま自転車に乗る人を見かけますが、バランスを崩しやすい上に違反なのでやめましょう。


スムーズに漕ぐには、電動アシスト自転車も


親子あわせて3人で自転車に乗った場合、漕ぎ出しには相当な脚力が必要となり、ふらつきを起こしやすくなります。そのようなふらつき防止や坂道対策のために、電動アシスト自転車を選ぶ方が増えてきています。電動アシスト自転車は、ペダルを踏む力をセンサーで検知して力に応じたアシストをしますので、強く踏むと大きなアシスト力が発生します。


一方で、親子で電動アシスト自転車に乗ると100kgを超える重量となり、急に止まることが難しくなります。停止時の注意点としては、左レバー(後輪側)を先に握り、足りない場合は右レバー(前輪側)を握ってスピードを調整してください。前輪側の方がブレーキはよく利きますので、右レバーを先に強く握ると前方に投げ出されることがありますから注意しましょう。


子ども乗せ自転車は、子育て中の家族にとって非常に便利な乗りものの1つですが、一歩間違えると大事故につながる可能性もあります。規定やルールを正しく理解し、安全運転を心がけるようにしましょう。


自転車ツーキニスト 内海潤

筆者の写真

交通ルールをしっかり守って、安全で楽しい自転車ライフを。

自転車はエコで健康的な乗り物です。手軽な反面、そのルールがあまり知られていないという事実もあります。正しい交通ルールを知って、安全な健康的な自転車ライフを送りましょう。

【URL】 TOKYOツーキニスト http://tokyo-tookinist.com/
【経歴】 NPO法人 自転車活用推進研究会 理事、 練馬区自転車駐車対策協議会 委員
【メディア】 TBS「はなまるマーケット」、フジテレビ「スーパーニュース」、 テレビ朝日「ワイド!スクランブル」などテレビ出演多数。

※上記に関するご質問、お問合せは、原則受付けておりませんのであらかじめご了承ください。