クリープ(Creep)とはエンジンがアイドリング状態(800~1000回転)でブレーキを放すと、クルマがゆっくりと動くことです。これは世界中に普及したトルクコンバーター型のAT(オートマチック・トランスミッション)車の特徴の一つです。エンジンとギアボックスの間にあるオイルで満たされた向かい合う二枚の羽根が、エンジン側の羽根がオイルのせん断抵抗でトランスミッションにトルクを伝えることで発生します。このクリープ現象があるおかげで、坂道発進などが楽に行えるのです。クリープとは英語でゆっくり動くという意味があります。 ところが最近は新しいタイプのAT車が開発され、トルクコンバーターを使わずに、コンピューターでクラッチを制御するようになりました。一見、従来からあるAT車と同じようにイージードライブができるのですが、ちょっとしたコツが必要です。それはトルクコンバーター型AT車とは違って、クリープ現象をクラッチ制御で起こしているのです。そのため坂道発進などが長く続くとクラッチが熱を持ってしまい、クリープ現象の効果が期待できないことも起きます。こうしたクラッチ制御タイプのAT車は、MT(マニュアル・トランスミッション)車から進化したAT車なので、慣れることが必要です。
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