雨が降ると高速道路の事故は増えます。その理由は視界が悪くなることも原因ですが、ほとんどが路面とタイヤの間で発生する摩擦力(グリップ力)が低下するためです。水はまるで潤滑油のように路面を滑りやすい状態に変えてしまいます。さらに高速走行ではタイヤが水の上に浮いてしまうこともあり、その場合はもっと滑りやすい状態になります。こうした現象をハイドロプレーニング現象と呼んでいます。ハイドロとは水という意味で、プレーニングとは飛行機という意味があります。つまる水上飛行機のように水の上に浮いて滑走するイメージなのです。 ハイドロプレーニング現象が恐れられているのは、まるでブラックホールに落ち込んだように一瞬にしてグリップ力を失うことです。轍(ワダチ)のある路面では特に水深が深くハイドロプレーニング現象が発生しやすいのです。ハイドロプレーニング現象は速度が高く、クルマが軽く、タイヤが太いほど生じやすいので、高速道路ではトラックのタイヤのほうがはるかに安全です。 ハイドロプレーニング現象で事故に遭遇しないためにも、日頃からタイヤの空気圧やタイヤの溝がどのくらい残っているのか知っておくといいでしょう。合法的には1.6ミリ(約3分山)まで使えますが5分山くらいから極端にハイドロプレーニング現象が発生しやすくなります。
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