タイヤの種類が多岐にわたるのはクルマが多様化しているからです。時速200km以上(ドイツ・アウトバーンなど)でも耐える高速安定性と、アイスバーンでも走れるスノー性能(スタッドレスタイヤ)まで求められます。その両極端なニーズを一つのタイヤで補うのはとても大変です。実際は路面状況に応じてタイヤを履き替える必要があります。しかし、アメリカの多くの場所では雪が降っても自宅から幹線道路までたどり着ければ、幹線道路ではドライタイヤでも走れるのが実情です。 そこでアメリカでは雪道からフリーウェイまで走れるオールラウンドなタイヤが求められています。タイヤのサイドウォールには「M+S」(マッド&スノー)と刻印され、一般にオールシーズンタイヤと呼ばれています。 このオールシーズンタイヤは北海道の雪道は走れませんが、都心に降る程度の雪ならゆっくりと走ることができます。オールシーズンタイヤは四輪駆動車とセットで使われるケースが多く、最近流行のSUVなどもオールシーズンタイヤを履くケースがあります。しかし、オールシーズンと言っても雪道寄りのタイヤから、高速走行を得意とするタイヤまで様々です。ユーザーはその志向性が理解できないので、かえって混乱する場合もあるでしょう。日本の雪道はあくまでもスタッドレスが基本だと理解してください。
株式会社テクノメディア