ボディ表面から水分が無くなっても、まだ拭き上げは完全とは言えません。クルマは複雑なカタチをしている部分も多く、そこには多くの水分が残っています。 最近のクルマは防錆処理が素晴らしく進歩しているのですぐに錆が出るような事はありませんが、やはりなるべく早く乾燥させた方がベター。この項目ではボディパネル以外の拭き上げポイントについて解説して行きましょう。
まず気をつけたいのは、ドアやトランクルームなどの開閉部分です。この厚みの部分に洗車時に掛けた水が入り込んでいるはずです。必ずすべてのドアを開けて、ドア側/ボディ側両方に残った水分を拭き上げておきます。 ただ、この部分は洗車のときに手が付いていないので、ホコリや汚れも混じっています。つまり汚れと水分を同時に拭き上げてしまう事になります。 ボディ吹き上げが終わった後のウェスか、でなければ専用のタオルを別に用意し、マメに水洗いしながら進めましょう。
トランクリッドやワゴンのテールゲート部分も同様ですが、開閉に伴ってナンバープレート周辺に隠れていた水分が流れ出て来る事も少なくありません。ウェスが届く範囲を丹念に拭き上げ、数度開け閉めして水分をよく払っておきます。 開けた状態でしばらく置き、自然乾燥を促すのもよいと思います。
このほか忘れられがちなのは、ガソリン給油口周辺。 ここも開けて中に溜まった水分を吸い取っておきます。ドアノブも形状によっては水が溜まり易いので、何度か開閉し垂れて来た水滴を拭っておくと仕上がりがキレイになります。また、フロントバンパーの下側、空気取り入れ口やフォグランプ周辺も形状が複雑で水分が残り易い場所。必要に応じてウェスを差し込むようにして吸い取ります。 狭い場所に手を入れる場合は怪我も考えられるので、軍手を忘れないようにしてください。
石川芳雄