車中泊のメリット

車中泊には、一般的な宿泊とは異なる独自のメリットがあります。自由度の高さやコスト面の優位性といった魅力は、初心者からベテランの旅好きまで多くの人に支持されています。ここでは具体的に5つ紹介します。

(1)スケジュールの自由さ

ホテルのチェックイン/チェックアウト時間に縛られることなく、思い立ったときに出発したり、観光スポットの近くで前泊・後泊することができ、時間を有効に使えます。その時々の状況に合わせて、柔軟に旅程を組める点が大きな魅力です。

(2)宿泊費の大幅な節約

車中泊は基本的に自家用車の車内で寝泊まりするため、ホテルや旅館に泊まる場合に比べて宿泊費を抑えられます。その分、観光地での体験や食事など、旅の他の部分に予算を使えるようになります。

(3)自然や景観を身近に感じられる

車中泊では、キャンプ場や車中泊施設など許可された場所を活用することで、星空をながめながら眠りについたり、さわやかな朝日で目覚めたりと、宿泊施設では味わえない体験ができます。

(4)ペットの同伴が可能

宿泊施設によってはペット同伴が制限されることもありますが、車中泊であれば自由にペットと一緒に移動し、休むことができます。

(5)テント設営不要で、キャンプを気軽に楽しめる

キャンプといえばテント泊をイメージする方も多いですが、車中泊であればテント設営の手間が不要で、天候の影響も受けにくくなります。

このように、車中泊は一般的な宿泊とは異なる価値があり、多くのメリットを得られることから、旅のスタイルとして人気が高まっています。一方で、安全に楽しむためにはドアの施錠の徹底や車の周辺の確認など防犯意識を持つことや、マナーを守ることも大切です。記事の後半でも車中泊のルールやマナーについて詳しく解説しますので、必ず確認しておきましょう。

車中泊の場所は? サービスエリアや道の駅は使える?

宿泊場所は、旅のプランを考えるうえで重要なポイントのひとつ。泊まる場所によって旅の自由度も変わるので、プランに応じて宿泊場所を選ぶことが大切です。

(1)サービスエリア・パーキングエリア

パーキングエリア龍野西

高速道路で移動するのであれば、まず思いつくのはサービスエリアやパーキングエリア(以下:SA/PA)でしょう。実際SA/PAでは、多くの方がクルマを停めて仮眠を取っています。

夜中でも人の目があって安心して過ごせる一方、SA/PAは移動の疲れを癒やす休憩場所であり宿泊のための施設ではありませんから、仮眠程度にとどめましょう。

(2)道の駅

道の駅の写真

道の駅での車中泊は、原則としてNGです。ただし、車中泊への対応は場所によってさまざまで、一部で車中泊を可能としている道の駅もあります。中には電源を用意するなど、車中泊歓迎をうたう道の駅もありますので、車中泊が可能な道の駅なのかどうか、事前の確認が必要です。

(3)キャンプ場

キャンプ場で車にタープテントをつないで椅子とテーブルを出している

車外にテーブルを広げて食事をしたい、安心してのんびり過ごしたい……、そんな人にはキャンプ場もオススメ。宿泊のためのスペースなので、気兼ねなく車中泊できます。電源や炊事場などがある施設も多く、車中泊以上、キャンプ未満の気軽な旅が楽しめます。

(4)Carstay、RVパークなど車中泊専用施設

車中泊専用スペースに駐車するキャンピングカー

キャンピングカーや車中泊の人気が高まる中で出てきたのが、車中泊専用スペースを提供するサービスです。Carstay株式会社が提供しているCarstay、くるま旅が提供しているRVパークなどがあります。いずれも車中泊のために提供されている施設なので、予約した時間内はのんびりと過ごすことができます。入浴施設が併設されている場所もあります。

快適な車中泊に用意すべきモノは?

キャンプセット一式

荷物が多すぎると車内で邪魔になり、寝るためのスペースが減ってしまいます。必要なものに絞って、車中泊をするなら荷物はコンパクトに準備したいところです。ここでは、快適な車中泊のために最低限必要となるアイテムをご紹介します。

(1)寝具

自動車内に敷かれている寝袋

寝るためには寝具が必要……といっても、布団一式を持っていくわけにはいきません。車中泊専用マットレスも販売されていますが、やや高価で初心者向きとは言えません。

それほど高くなく、コンパクトに持ち運べる観点からオススメしたいのは、シュラフ(寝袋)。キャンプ用品コーナーで手軽に買うことができ、扱いも簡単です。

シュラフではなく掛け布団を使いたい場合は、キャンプ用のクッションシートを用意するといいでしょう。固いラゲッジルームの床に1畳分のシートを広げれば、快適なスペースが生まれます。

(2)目隠し

フロントガラスに設置されたサンシェード

車中泊する場所によっては、周囲からの視線が気になる場合も。そんなときのために、目隠しも用意しておくといいでしょう。カー用品店で売っているサンシェードやカーテンでOK。光をできるだけ通さないものを選ぶのが、ポイントです。

(3)モバイルバッテリー・ポータブル電源

ポータブル電源とつながれたスマホ

車中泊時には、エンジンをかけずに充電できるよう、モバイルバッテリーやポータブル電源を用意しておくと便利。電源を確保できれば、照明や扇風機なども使えるので、車内で快適に過ごせるようになります。また、車に積んでおけばもしもの災害時にも役に立ちます。

車中泊で守るべきマナー

車中泊を楽しむ人が増えるにしたがって、マナー違反を目にすることも増えてきました。施設や周囲の人に迷惑をかけず、気持ち良く車中泊できるように注意したいポイントをお伝えしておきましょう。

(1)駐車スペースの使い方

車中泊するときは、駐車区画からはみ出さないように。道の駅で2台分以上の駐車スペースを使うのはNGです。また、キャンプ場以外でテーブルやテントを広げるのも✕。バーベキューなど屋外調理もご法度です。

(2)ごみの捨て方

CarstayやRVパーク、キャンプ場など、ごみ処理を引き受けてくれる場所では、決められた場所に捨てましょう。道の駅では、「持ち帰り」が基本。ちょっとしたごみであっても、ごみ箱に入らないようなら無理に捨てずに持ち帰りましょう。

(3)駐車中のアイドリング

駐車中のアイドリングは、全国的に禁止されています。排ガスによる中毒症状を避ける観点からも、車中泊時のアイドリングはオススメできません。クルマを移動する場合も、騒音を出さないようにエンジンをかけるのは最低限にとどめましょう。

(4)その他のNG行為

車中泊時に限りませんが、道の駅の施設・設備を勝手に使うことはやめましょう。トイレのコンセントを勝手に使ってスマートフォンを充電するなどの行為は、トラブルのもと。また、深夜に大きな音を出す行為、大声での会話、テレビの音なども周囲の人の迷惑になります。

オススメ車中泊旅プラン3選

車中泊ならではの楽しみや便利さを得られる旅プランをご紹介します。車中泊旅だからといって、すべての宿泊を車中泊にしなければならないわけではありません。特に車中泊に慣れないうちは、しっかり疲れが取れないことも考えられるので、宿泊施設と併用するのがオススメです。

(1)前日出発で1日遊べるテーマパーク

観覧車とジェットコースターがある遊園地

朝早くからテーマパークを楽しみたい――。車中泊は、そんな希望にぴったりです。目的のテーマパークの近くで車中泊をすれば、オープンからたっぷり1日楽しめます。道が空いている夜のうちに出発すれば、ドライブのストレスも軽減。

旅行プラン
金曜日 仕事が終わったら出発 → 目的地に近い場所で車中泊
土曜日 1日たっぷりテーマパークを楽しむ → ホテル宿泊
日曜日 観光しながら帰宅


(2)車中泊で渋滞ストレスゼロ!日帰り旅行プラス1

夕方の渋滞

日帰り旅行で憂鬱なのは、帰りの渋滞。そこで、帰りは渋滞から抜け出して車中泊で仮眠を取ってみては?渋滞する時間帯にゆっくり食事をして仮眠を取り、空いた夜に出発すればスイスイ帰れます。

旅行プラン
土曜日 日帰り旅行を楽しむ → 夜はゆっくり食事をとって車中泊
日曜日 朝起きたら、道路が混む前に帰宅


(3)ペットと一緒にマイペース旅

犬2匹

ペットと泊まれるホテルも増えてきましたが、まだまだ多くありません。車中泊を活用すれば、ペットとの旅の自由度が増します。車中泊愛好者にはペットを連れて旅をする人も多いので、旅先でペット談議に花を咲かせるのも、旅の楽しみのひとつになります。

旅行プラン
1日目 ペットとドライブ、観光を楽しむ → ペットと泊まれるホテルで宿泊
2日目 ペットとドライブ、観光を楽しむ → 車中泊
3日目 家までの道をペットとドライブ

編集:木谷 宗義/type-e
文:重森 大