■アドバイスは受けるもこだわりは強め

自動車が並んでいる様子

まずは、クルマを買うときにどれぐらい「自分で決めたか」を明らかにするべく、「購入関与の状況」を見てみましょう。

購入関与の状況 すべて自分一人で決めた28.9% 自分の考えを中心に家族や知人の意見も反映47.8% 家族や知人の意見を中心に自分の意見も反映23.3%

28.9%の人が「すべて自分1人で決めた」と答えている一方、それ以外の約70%の人が家族や知人の意見も参考にしていることがわかりました。「初めてのクルマ」や「高額な買い物」を自分1人で決断するのは、難しいもの。親しい人にアドバイスを求めるのも大切でしょう。

続いて「決定のこだわり度」を4択で聞いた結果を紹介します。これは、どのぐらい購入した車種にこだわったかを示すもの。興味深いことに「1人で決めた」と答えた人が30%弱であった一方で、「ぜひこの車種に」と回答した人が50%を超えました。

決定こだわり度 ぜひこの車種に53% ぜひとは言わないがこの車種に28% なるべくならこの車種に7% なんとなくこの車種に12%

友人や家族の意見を参考にはするけれど、最終的に選ぶ車種にはこだわりを強く持つ。そんな人々が20代には多いと言えそうです。やはり、最終的にはデザインをはじめ「自分の気に入ったクルマ」を選びたいですよね。ちなみに、「ぜひこの車種に」と答えた人の割合は、世代が上がっていくごとに低くなるというデータもありますので、若い人ほどこだわりを持って選んでいると言えます。

■注目されるクルマに乗りたい…?

クルマで出勤する会社員

車種や色、仕様により「オシャレ」「カッコいい」「かわいい」など、大きく見た目や雰囲気が変わるのもクルマです。人によっては、クルマで自分のライフスタイルやファッションを表現したい向きもあります。そこで、「周囲の人に注目されるクルマに乗りたいですか?」という質問をしてみました。その結果がこちら。

周囲の人に注目される車に乗りたい あてはまる15% ややあてはまる34% あまりあてはまらない35% あてはまらない16%

結果は、「あてはまる+ややあてはまる」と、「あまりあてはまらない+あてはまらない」で五分五分でした。「ぜひこの車種に」と車種選びにはこだわっても、注目されたいかというと、それはまた別の話のようです。ちなみに、こちらも先の「決定のこだわり度」と同様に、世代が上がるほど「あてはまる」の割合が低くなっていきます。

■20代は環境意識が高かった

環境意識した車のイメージ

最後に少し視点を変えて、環境に対する意識を見てみましょう。一般的に、若いほど環境問題に対する関心は高いと言われます。

どうやらそれは、クルマ選びにも言えるようです。「環境保全のためなら多少余分に車にお金を払ってもよいか?」との質問に、4つの選択肢で答えてもらいました。結果は次の通り。

環境保全のためなら多少余分に車にお金を払ってもよいと調査の年代別グラフ 20代で「あてはまる」を選んだ人が多い

「あてはまる+ややあてはまる」では、20代とともに60代も半数を超えてますが、「あてはまる」だけで見ると、20代が唯一、10%を超えています。小さい頃から地球温暖化や異常気象を肌で感じてきたとともに、電気自動車へのシフトなどエネルギー問題も身近になった今、環境を意識する人が多いのは納得です。

特にこの質問は、環境に良い行動や活動をしているかどうかよりも、「身銭を切れるかどうか」を問うているため、より踏み込んだ内容となっています。他の年代よりも、まだ金銭的な余裕が大きくないであろう20代が、最も「環境のためならお金を払って良い」と答えているのは意義深い結果だと言えるでしょう。

2回にわたって大規模なリサーチデータから、「20代のクルマ事情」を明らかにしていきました。みなさんは、どんなこだわりを持ってクルマを選ばれたでしょうか?あるいは、選ぶつもりですか?お伝えした情報が、これから充実したカーライフを送るための参考になれば嬉しいです。


文:三浦太郎/インテージ、編集:木谷宗義/type-e