キャンプのプロに聞く!快適なテントサイトのレイアウト術〈中編〉ソロ・ペアの場合
キャンプギアメーカー「ZANE ARTS」の代表を務める小杉敬さんに教わる、快適なテントサイトのレイアウト術。中編では、ソロの場合、ペアの場合のレイアウト術のポイントをお届けしましょう。
ソロの場合/イスに座ったまま道具を扱える配置がベスト
とくにコロナ禍以降、ソロキャンプを楽しむ人が増えています。ソロ専用のテントサイトを設けるキャンプ場が出てきたことからも、その需要は明らかです。グループのなかでそれぞれソロテントを持ち込んでキャンプをするスタイルのキャンパーもいますが、ここでは完全にひとりでキャンプをする場合における快適なレイアウト術について、小杉さんにうかがいました。
キャンプのプロに聞く!快適なテントサイトのレイアウト術〈前編〉基本の考え方
キャンプのプロに聞く!快適なテントサイトのレイアウト術〈後編〉ファミリーの場合
「ひとりだったら、食材と調理スペース、ライトなどの道具が分かれていて、それぞれ取りやすい状態にあるのがいいと思います。ポイントは、イスから立ち上がらなくてもよいレイアウトにすることですね。さらにいうと、イスの角度を変えなくても手に取れるよう道具を配置するのが理想です」
たとえば、寝泊まりするテントの前にイスを置いて、目の前にストーブ、その両脇に調理や食事をするテーブルと調理道具などを置くシェルフをセット。そしてイスの片側に食材やドリンクを入れたクーラーBOXを置けば、上半身を動かすだけで食事と食後の一杯を楽しむことができます。日差しが強いときや雨が降っているときには、テントの前室にリビングを作ったり、ソロ用のタープを張ったりすればより快適にすごせるはずです。
ペアの場合/役割分担をして届かないぶんを補い合う
ふたりの場合は、まず横並びに座るか、対面で座るかの2パターンが考えられますが、ここでは対面に座ることを想定して快適なレイアウトを考えてみます。
「ふたりともなるべく動かずにいるためには、役割分担が必要になります。たとえば片方の人がジャグから水をくむ係、もう片方の人がクーラーBOXから食材やドリンクを取る係と決めてしまえば、お互いに動かなくてもよくなります」
一方でバーナーをふたりの真ん中に置けば、調理や食事をいっしょにできて便利なのだと小杉さんは教えてくれます。
「ひとりが調理する状態を作るよりも、ふたりがストーブにアクセスできる状態を作ったほうがよい。キャンプでは基本的に調理が中心になるので、ストーブはふたりで操作できたほうがいいし、調理はひとりでやったとしても、つついたり、かき混ぜたりするのはふたりでできるほうがよいと思います」
役割分担をするところ、いっしょに楽しむところ。キャンプでのすごし方をイメージしながら自分たちのリビングを組み立てていくことが、快適なテントサイト作りのコツなのです。
プロフィール
小杉 敬さん
ゼインアーツ代表取締役社長。新潟県出身。新潟県内に本社を構えるアウトドアメーカーに就職し、30年以上キャンプギアのデザインに携わる。2018年に長野県松本市にキャンプギアブランド「ZANE ARTS」を立ち上げ、機能と藝術の融合をコンセプトに、数々の革新的なキャンプギアを生み出し続けている。
■クレジット
文◎松元麻希
イラスト◎大西土夢
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