災害時も役立つ!「キャンプごはんレシピ」
キャンプごはんには、屋外での食事の楽しさだけでなく、限られた環境でも効率的かつ安全に調理するための工夫が詰まっています。食材の扱い方や火の使い方、洗い物を減らす方法を意識しておくことで、停電や断水などの災害時にも落ち着いて対応しやすくなります。
準備や手順を把握しておけば、限られた道具や材料でも安心して食事をとることができるでしょう。ここでは、キャンプごはんを安全に作る基本と、環境を問わず実践しやすいレシピを紹介します。
キャンプごはんを安全に作るための基本

キャンプでは、食材に土やほこりがつきやすかったり、火加減の調整が難しかったりと、衛生面や食材の管理などで注意したい点があります。限られた環境でも基本のポイントを押さえておくことで、キャンプはもちろん、災害時の調理にも役立ちます。
● 食材選び:常温保存できる食材や乾物を中心にする
キャンプでは、保存や持ち運びのしやすさを意識して、常温で保存できる食材を中心に使い切りやすい量をそろえましょう。常温で保存できる食品は、キャンプだけでなく災害時の備えとしても活用しやすい食材です。缶詰やレトルト食品、乾物も活用すると、食材の管理がしやすくなり、下ごしらえや調理の負担も減らせます。
● 温度管理:生鮮食品はクーラーボックスで低温を保つ
生肉や魚、乳製品、カット野菜など、常温で長時間置けない食材を持参する場合は、低温を保つようにします。キャンプではクーラーボックスを活用し、保冷剤や氷を多めに入れて温度が上がらないようにしましょう。
災害時の停電では、クーラーボックスに保冷剤と食料を入れることで、冷蔵庫の代わりとして一時的に保存できます。
災害発生後は冷蔵庫・冷凍庫にある足の早い(傷みやすい)食材から優先して消費しましょう。また、調理した料理は早めに食べ切ることも大切です。
● 手指衛生:調理前は手を清潔にしてから作業する
調理や食事の前には、手を清潔に保つことを意識します。水が十分に使えない場合は、まずウェットティッシュで目に見える汚れを落とし、アルコールスプレーで消毒しましょう。
● 食器の工夫:ラップを敷いて洗い物を減らす
食器にラップを敷いてから料理を盛り付けると、食器が直接汚れにくくなります。ラップを外すだけで食器を再び使えるため、水が限られるキャンプや災害時でも洗い物を減らすことができます。
● 加熱:食材の中心までしっかり火を通す
キャンプや災害時の屋外調理では、バーベキューコンロや焚き火を使うことが多く、火力が安定しにくいため火加減の調整が難しいことがあります。
また、夕方や夜間など暗い場所で調理する場合、食材の焼け具合が確認しにくいこともあります。
見た目だけで判断せず、肉や魚などは中心までしっかり火を通しましょう。箸などで少量を取り分けて断面を確認すれば、中心まで火が通っているか確認できます。不安がある場合は、加熱時間を少し長めにするようにしましょう。十分な加熱は、食中毒の予防につながります。
※肉や内臓には、腸管出血性大腸菌やサルモネラ、カンピロバクターなどの食中毒菌が付着していることがあります。新鮮でも生や加熱不十分で食べると食中毒の原因になるため、中心までしっかり火を通すことが大切です。特に子どもや高齢者、妊婦などは注意しましょう。
水と燃料を節約できる調理法「パッククッキング」

キャンプや災害時など、水や燃料を無駄にできない状況で重宝するのが「パッククッキング」です。
耐熱温度130℃以上の高密度ポリエチレン製袋(以下、ポリ袋)に食材を入れ、袋のまま湯せんするシンプルな調理法です。
1つの鍋でごはんとおかずを同時に作れるため、加熱に使う燃料を抑えられるほか、鍋が汚れにくく洗い物に使う水も節約できます。
ここからは、パッククッキングの基本とレシピを見ていきましょう。
パッククッキングの基本手順
パッククッキングでは、調理時の安全と失敗を防ぐためにいくつかの基本手順があります。
※ポリ袋1枚に入れる量は、1~2人分を目安にします。入れすぎると加熱ムラが出ることがあります。
① ポリ袋は耐熱タイプを使用する

耐熱温度130℃以上、または湯せん対応の記載がある高密度ポリエチレン製のポリ袋を使用します。厚さ0.01mm程度で、無地で「マチのない」タイプを選びましょう。一般的なビニール袋は耐熱性が低く、加熱すると溶ける可能性があるため使用できません。
② ポリ袋の空気をしっかり抜く
食材を入れたら、ポリ袋の中の空気をできるだけ抜いてから口を上の方で結びます。空気が残っていると熱で膨張し、袋が破れたり浮き上がったりすることがあります。
③ 食材を袋の中で軽く広げる
袋を結んだ後、食材がかたまりにならないよう袋の中で軽く広げておくと、熱が通りやすくなります。
④ 鍋の底に耐熱皿や布巾を敷く
鍋の底に耐熱皿や布巾、クッキングペーパーを敷いてからポリ袋を入れます。袋が鍋底でこすれて破れないようにするためです。
※袋の破損を防ぐため、敷くことを推奨します。
⑤ 湯せんで加熱する

湯せんする際は、余裕のある大きさの鍋を使用しましょう。鍋の深さの半分ほどを目安に水を入れて沸騰させます。沸騰したお湯にポリ袋を入れて湯せんします。袋の結び目を鍋の内側に向けると、鍋の縁に触れにくく安全です。加熱後はポリ袋が高温になるため、トングなどで取り出し、やけどに注意しましょう。
【専門家アドバイス】
パッククッキングでは、食材をポリ袋に入れて湯せんするため、鍋のお湯が汚れにくいのが特徴です。そのため、同じ鍋のお湯でごはんやおかずなど複数のポリ袋を一緒に湯せんしたり、続けて別の料理を加熱したりすることもできます。
お湯を使い回せることは、パッククッキングの大きなメリットといえるでしょう。水や燃料を無駄にせず調理できるため、キャンプだけでなく災害時など資源が限られる場面でも取り入れやすい方法です。
パッククッキングでごはん・おかず・汁物を作ってみよう!
今回紹介しているレシピを組み合わせると、ごはん・おかず・汁物を同じ鍋でまとめて作ることができます。限られた環境でも、食事を整えやすくなります。
【レシピ①】ポリ袋に入れるだけ!簡単あったかごはん
材料(1人分)
・無洗米…1合(150g)
・水…180ml
作り方
①ポリ袋に無洗米と水を入れる。
②空気をできるだけ抜き、ポリ袋の上部をしっかり結ぶ。
③鍋に水(分量外)を入れて沸騰させ、ポリ袋を入れて中火で20分湯せんする。
※袋の中で米がかたまっている場合は、軽く広げておく。
④火を止め、そのまま10分蒸らす。
⑤取り出してほぐす。
ポイント:無洗米は洗う水が不要なため、キャンプや災害時でも調理しやすいのが特徴です。湯せん後に10分蒸らすことで、芯が残りにくく、ふっくら仕上がります。
【レシピ②】ポリ袋で作るサバ缶とトマトの無水カレー
材料(1人分)
・サバ水煮缶…1/2缶(100g)
・カットトマト缶…100g
・カレールー…1かけ(約20g)
作り方
①ポリ袋にすべての材料を入れる。
②空気をできるだけ抜き、ポリ袋の上部をしっかり結ぶ。
③ポリ袋を軽くもみ、大きいサバは一口大にする。
④鍋に水(分量外)を入れて沸騰させ、ポリ袋を入れて中火で15分湯せんする。
⑤取り出して袋の上から軽くもみ、全体をよく混ぜる。
ポイント:
サバ缶やトマト缶の汁をそのまま水分として使うのがポイント。うま味や栄養を逃さず、水を一滴も加えずに作ることができます。サバ缶はたんぱく質やDHA・EPAを含み、手軽に栄養を補える食材です。
【レシピ③】ポリ袋で作るひじきの煮物
材料(1人分)
・乾燥ひじき…3g
・切り干し大根…3g
・(A)水…大さじ3
・(A)しょうゆ…大さじ1/2
・(A)砂糖…小さじ1
・(A)和風だし(顆粒)…少々
作り方
①ポリ袋に乾燥ひじきと切り干し大根を入れ、水(分量外)をひたひたになるまで加え10分ほど戻す。
②水気を切り、(A)を加える。
③空気をできるだけ抜き、ポリ袋の上部をしっかり結ぶ。
④袋の上から軽くもみ、調味料をなじませる。
⑤鍋に水(分量外)を入れて沸騰させ、ポリ袋を入れ、中火で15分湯せんする。
⑥火を止めて5分ほど置き、味をなじませる。
ポイント:
ひじきや切り干し大根などの乾物は長期保存できるため、備蓄食材としても便利です。日頃からストックしておくと、キャンプや災害時の副菜としても役立ちます。咀嚼の回数が増えるため、満腹感も得やすい一品です。
【レシピ④】ポリ袋で作るみそ栄養スープ
材料(1人分)
・とろろ昆布…1g
・乾燥わかめ…0.5g
・高野豆腐(小さくカット済み)…3g
・水…150ml
・みそ…小さじ2
作り方
①ポリ袋にとろろ昆布以外の材料を入れる。
②空気をできるだけ抜き、ポリ袋の上部をしっかり結ぶ。
③袋の上からもんでみそを溶かす。
④鍋に水(分量外)を入れて沸騰させる。
⑤沸騰した鍋にポリ袋を入れ、中火で5分湯せんする。
⑥取り出してとろろ昆布を加える。
ポイント:
とろろ昆布やわかめなどの乾物は、うま味と栄養が凝縮されています。だしを使わなくてもおいしく仕上がるのが特徴です。高野豆腐を加えることで、災害時に不足しがちなたんぱく質も補えます。
※加熱時間は食材の量や火加減によって変わるため、目安として考え、様子を見ながら調整しましょう。
まとめ
限られた水や燃料で調理を工夫する経験は、災害時など非常時の食事づくりにも役立ちます。
食材の選び方や保存方法、加熱の仕方など、基本を押さえて次のキャンプで、ぜひ今回ご紹介した「パッククッキング」を試してみてください。その経験が、いざというときの落ち着いた対応につながるはずです。
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