Q.体臭から身体の健康トラブルがわかるのでしょうか?

体臭は大切な健康のサインです。日頃と違うニオイを感じたら体の変調にも注意しましょう。皮膚からのニオイのほか、呼気(息のこと)、尿、便、月経血なども体臭と関係します。体臭からがんを発見する「がん探知犬」がいるほど、体臭は健康状態と結びついているのです。

たとえばアルコールを飲むと、呼気がお酒臭くなることはみなさん経験があるでしょう。血液のある成分は呼気として排出されます。そんな呼気からがんのスクリーニングを行うというプロジェクトも進行しています。食事によって便のニオイや呼気のニオイが変化することもみなさん知っていると思います。

ニオイへの敏感さには個人差がありますが、自分の体臭に敏感になることも大切で、また他人に自分の体臭の変化を指摘してもらうことも大切です。そんな体臭の変化を感じたら、そしてそこに何らかの不調が加わった場合には、内科を受診しましょう。

Q.注意したほうがいい体臭は具体的にどのようなものでしょうか?

脇を鏡で見る女性RyanKing999/gettyimages

ニオイを言葉で表現するのはむずかしいものです。音楽や音声は電子媒体に記録できますが、ニオイは科学が進歩した現代でも電子媒体に記録できません。わかりやすい表現のものしか伝わらないのです。

例えば糖尿病が進むと「古くなった果物」のニオイがします。肝臓が悪くなると「アンモニア」のニオイがします。また加齢臭は「ロウソク」や「古本」のニオイと表現されます。

明らかに他とは異なる、今まで経験したことがないようなニオイの時には血液検査をまず行うことをおすすめします。

Q.とくに女性が注意すべき体臭はどんなものがあるのでしょうか?

体臭を作る原因は男性でも女性でも基本的に同じですが、女性の体臭の特徴はホルモンの影響を受けやすいことです。また女性生殖器は男性にはありませんので女性特有のニオイに繋がります。

生理の時に月経血が酸化腐敗して、デリケートゾーンのニオイが強くなることがあります。この時の注意点はニオイを消そうとゴシゴシと、膣の中まで洗うことです。膣は善玉菌のお陰で酸性に維持されています。その善玉菌まで洗い流すと逆にニオイが強くなります。

Q.危険な体臭に気づくために心がけておくことはなんでしょうか?

日頃から体臭を意識することですが、自分の体臭の変化はなかなか自分では体感できません。体臭の変化を教えてくれるような、なんでも語り合える家族や友だちを持っておくことが大切です。つまり日頃から人の意見を聞く姿勢が自分の変化を知るためには重要です。

「あの人は何を言っても聞かないから」と周囲から思われている人は体臭から病気を見つけるという点でも損だということです。

Q.危ない体臭がした場合、医師にはどう相談すればいいのでしょうか?

「危ない体臭がした」と言っても取り合ってくれない医師もすくなくありません。ニオイが病気の端緒になる経験をしていない医師が大多数だからです。

医師との巡り会いは運です。ちかくの総合内科や総合診療科といったなんでも診てくれるような科目を標榜しているクリニックを受診しましょう。または、クリニックに電話をして「今までとは違う体臭がするのですが診て頂けますか?」と聞いて、事務の方が即答するクリニックがおすすめです。


教えてくれたのは・・・