トラブル解決術

ESTA・ETASなどの登録を忘れた時の対処方法とは?

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冬休みに両親がハワイへ旅行に行く予定を立てています。海外旅行経験がないため、いろいろと心配していたので事前チェックをしてあげたところ、両親は「電子渡航認証システムESTA(エスタ)」のことを知らず、登録もしておりませんでした。その場で私が登録したので、問題ありませんでしたが、もしもESTAやETASの登録を忘れて空港に向かった場合はどうすればよいのでしょうか?

ESTA・ETASなど電子届は必ず事前に。空港端末での駆け込み申請も。

アメリカの電子渡航認証システムESTA(エスタ)やオーストラリアの電子入国許可ETAS(イータス、もしくはEATイータ)は、観光や業務出張が目的でも、あらかじめ取得しなくては入国ができません。日本発着のパッケージツアー参加者も同様です。航空会社の中には、未取得者を事前にチェックして搭乗させないケースもあります。


いずれも自宅などのインターネットから電子取得できるしくみ(有料)です。特に、航空チケットを自己手配した個人旅行者は注意が必要です。渡航が決まったら、必ず事前に取得するようにします。最低でも、出発の72時間前までに取得をするよう心がけましょう。代行業者を通して取得する場合は、別途手数料がかかる場合もあります。また、いずれも本国のウェブサイト(日本語あり)から、ご自身で取得できるしくみです。


■ESTAとはアメリカ合衆国電子渡航認証システムのことをさし、認証取得日から2年間有効です。ただしパスポートの有効期間内までで、パスポートの有効期間が過ぎると失効します。その場合は、ESTA認証を新たに取得しなければなりません。1回の入国で90日までの滞在許可が得られます。入国時に、ESTA申請番号の控え、もしくは認証画面のコピーを携帯しておくことをおすすめします。料金は1人14米ドルで、クレジットカード決済です。ESTAは、ハワイ州はじめ米国本土に、観光ならびに短期商用目的で入国する時のビザ免除システムです。かつての、出入国カードと併合されたビザ免除プログラム「I-94」は廃止されました。ただしグアムやサイパンへ観光・商用目的で入国する場合は、ESTAがなくても「グアム・北マリアナ諸島連邦ビザ免除プログラム」を利用して、最大45日まで滞在が可能です。


■ETAS(ETA)とはオーストラリア電子入国許可システムのことをさし、有効期間12カ月の数次ビザ(期間内なら何度でも出入国ができる)をさします。1回の入国で最大3ヵ月までの滞在許可が得られます。料金は1人20オーストラリアドルで、クレジットカード決済です。ETASは、観光ならびに短期商用目的の電子ビザで、すでにワーキングホリデービザや学生ビザ等を取得している人は取得が不要です。


ETAS、ESTAともに、0歳児の赤ちゃんであっても取得しなくてはなりません。また、インターネット上では承認されず、「保留」や「拒否」となった場合、在日大使館へ手続きに赴くことになります。無犯罪であること、過去に入国拒否をされたかの有無などが、承認の条件です。ESTAは、日本の主要空港にある出発カウンター付近に認証用の端末を設置していますが、一部の空港に限られます。例え搭乗できても、入国審査を通過できなければ、帰国するしかありません。旅行会社や航空会社は、事前にチェックして取得申請を促す努力をしていますが、ご自身で早めの準備を心がけるようにしましょう。


観光ジャーナリスト 千葉千枝子

日本の明日を担うインダストリーとしての観光を応援しています。

旅をテーマにさまざまな角度から魅力やノウハウをお届けしています。旅は人生をより豊かにしてくれるツールです。古今東西、老若男女のエネルギーの行く先を、私、千葉千枝子が自信をもってナビゲートします。

【URL】 http://www.longstaystyle.com/
【経歴】 淑徳大学 教授。中央大学卒業後、富士銀行入行。シティバンクを経てJTBに入社。96年に独立、運輸・観光全般の執筆、講演活動を行うほか、TV・ラジオにも多数出演。観光人材の育成に注力する。
【著書】 「JTB旅をみがく現場力」(東洋経済新報社)、「観光ビジネスの新潮流」(学芸出版社)など多数。

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