浮き輪やボートなどが流された時の対処方法とは?
海水浴場へ遊びに行く予定をたてています。ボートや浮き輪も用意して準備はバッチリ。ただ今回は初めて子どもと海に行くので少し不安です。もし、子どもが浮き輪やボートに乗っている時に沖へ流されてしまった場合、どのように対処すればいいのでしょうか?子どもを遊ばせる時の注意点なども合わせて教えていただければと思います。
むやみに移動せず、「HELPシグナル」で救助を呼びましょう。
浮き輪につかまって浮かんでいる時などに、気がつくと岸からはるかに離れてしまうことがあります。波打ち際から沖合に向かって流れる強い流れの”離岸流”や、陸から海の方向へと吹く風”オフショア(陸風)”の影響等によって、水面の浮き具は簡単に沖合へと流される事があります。岸がだんだんと遠くなっていることに気づいたら、一度はゆっくりと自力で戻る努力を試みてもよいでしょう。しかし、慌てて全力でバタ足をしても、なかなか岸へ戻れない場合があります。せつない気持ちと不安感が襲ってきますが、ここで慌てないことが重要です。岸から流されてしまっても、浮き具につかまってさえいれば、また水面に顔だけを出して普通に呼吸ができていれば溺れる事はありません。
■流されてしまったら
もしも、沖合へ流されてしまったら、まずは慌てないでください。そして浮き輪やボートにしっかりとつかまっていてください。浮き具につかまっている以上は溺れたりはしません。しかし、慌てて戻ろうと水の中で泳いで引っ張ることは危険が伴います。むやみに移動をしようとは考えないようにしましょう。自力で戻れない場合は、体力を消耗しないようにし、救助を待つことが大切です。
■救助を求めるシグナル
次に、自力で戻れないことを知らせましょう。「HELPシグナル」と呼ばれる方法を説明します。
(1)浮き具にしっかりとつかまりながら片手を真っすぐに上げます。
(2)手のひらを開いて大きく左右に振ります
やみくもに手を振るのは水没する危険もあるので、何かにしっかりとつかまって浮き身をとって呼吸ができる体制を確保しながら行なってください。
■ボート遊びの際の注意
風や水面の流れによって、沖合に流されてしまうような場所はあらかじめ判ります。水に入る前によく注意をしましょう。最初は安全なところで遊んでいても、少しずつ移動して流れのある場所へ知らず知らず入り込んでしまうこともあります。また、ゴムボートなどで遊ぶ際には、必ずPFD(ライフベスト、ライフジャケットなど)を着用してください。もしもボートの空気が抜けてしまったり、ボートから落ちてしまったとしても、水面で十分に浮いていられるので安心です。
ライフセービング インストラクター 上野真宏
海や河川など水辺の危険を知って、海水浴やレジャーを安全に楽しみましょう。
海水浴にマリンスポーツ、釣りなど海や川には楽しいアクティビティがたくさんありますが 毎年、夏になると水難事故が多く起きてしまうのも悲しい事実です。 水辺の危険を事前にお伝えすることで、1つでも多くの事故がなくなることを願っています。
【URL】 | 日本ライフセービング協会 http://www.jla.gr.jp/ |
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【所属】 | 特定非営利活動法人 日本ライフセービング協会 理事・事務局長、 国際武道大学 体育学部スポーツトレーナー学科 非常勤講師 |
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