お盆休みやお正月休みを利用して、ご家族やご友人とのロングドライブを計画している方もいらっしゃるでしょうか。普段の街での運転とは異なり、高速道路を利用するドライブは爽快で楽しいものです。その反面、ロングドライブで最も気になるのが渋滞。毎年、長期連休には大渋滞が予想されています。そこで今回は、渋滞の回避方法実践編その1として、関東編をお送りしましょう。
関東圏内、高速道路のポイント
関東の高速道路網は、東京を中心にした放射状の単純なものです。途中で動脈同士の合流はないので、渋滞の形態も単純な自然渋滞が中心。その分対策も立てやすいです。 そこで、その対策ですが、一にも二にも時間をずらすこと。これに尽きます。
まず、渋滞予報カレンダー(http://www.drivetraffic.jp/map.html)で、利用する路線の渋滞予想時間を確認してください。渋滞する時間を避けて出発すればそれでOKです。
「そんな単純なことか!」と仰るかもしれませんが、その通り。実に単純なことなんです。
各路線ごとに、渋滞ポイントは異なります。下り線を例に取ると、 東名……大和トンネル付近 中央……相模湖インター付近 関越……花園インター付近 東北……上河内SA付近 常磐……守谷SA付近 アクアライン……海ほたるPA
これらが代表的な渋滞ポイントですが、迂回路はありません。はまってしまったら最後、対策はないのです。「渋滞しない時間に走る。」これが唯一にして最大の渋滞回避方法です。
渋滞していたら、下道に降りて迂回した方が早いのでは?という問いに対しては、「平均時速25キロで動く自然渋滞なら、(※詳しくは前回コラム渋滞対策( 3 )参照してください)下道でそれを上回るのは至難の業」です。どんなにうまく迂回しても、1割早く着くのが関の山というわけです。
目安の時間帯
下り渋滞は、各路線とも午前5時ごろ始まり、午前7時ごろピークを迎え、午後2時ごろ解消されます(あくまで目安ですが)。つまり、早めに東京を出発するなら、午前4時台には目的の路線に乗っているようにしたいところです。自宅を出発するのが4時台ではダメ。「目的の路線に乗るのが4時台」ですから、東名に乗るのに1時間かかる場合は、3時台に自宅を出発する必要があります。
「渋滞のピークは午前7時だから、6時くらいに乗ればいいだろう」というのは、実は最悪に近い選択です。それでは渋滞のビッグウェーブの先頭に乗るようなもので、すぐ背後から襲ってくる大波に飲み込まれて、最後まで最悪の渋滞に苦しめられます。 お盆のような渋滞ピークの時期には、一本の路線にいくつもの渋滞ポイントが現れます。たとえば関越道下りなら、東松山インター付近→花園インター付近の2箇所に渋滞ポイントが出現します。渋滞のビッグウェーブに乗ってしまうと、この2箇所両方で渋滞にはまるわけです。しかし最初の大波をかわせば、最後までスーッと行けます。
同じく最初の大波さえかわせば、名古屋の手前までスムーズに行けるのが中央道。東名、東北道、常磐道は、複数のポイントで同時多発的に渋滞が発生するので、4時台に東京を出てもどこかの渋滞にははまりますが、ケガは小さく抑えられます。 一方、遅めに出るなら午後2時から夕方の出発が吉です。途中、渋滞の残り香に遭う可能性はありますが、そこそこうまくエアポケットに入ることが期待できます。ただし大型連休初日の昼間は、首都高など都内が大渋滞するパターンが多く、東京を突っ切るのに2~3時間かかるので、そこは覚悟が必要です。
夜の出発は少し危険です。渋滞ピークの時期は、「仕事を終えて夜出発する」というドライバーが結構多いからです。たとえば8月13日のような下りのピーク日には、夜10時くらいから翌日午後まで渋滞が続く路線もあります。
上り線の渋滞は、午後始まって深夜まで続くのが一般的です。つまり、朝一番で帰路に付けば、ほとんど渋滞に遭わずに帰ることができます。それが無理なら、深夜出発して夜通し走って朝到着……というのがおすすめ。往路は深夜出発する人が結構多いのですが、帰路、それをやる人は少ないんですね。このあたり、「早めに行って早めに帰ろう」という人間心理が表れていて興味深いところです。「人間心理の裏に花道あり」が、渋滞回避の王道です。
いずれにせよ、我々ドライバーの最大の武器は渋滞予報カレンダーです。出発前には是非確認しておいてください。