レビュー
著者が代表を務める「ほけんの窓口」。一度は看板を見たことのあるという人も多いだろう。その名の通り、保険の相談を受け付けるお店である。もちろん相談だけでなく、たくさんの保険会社の商品を販売している。こうした会社は一般的に「保険ショップ」と呼ばれるが、「ほけんの窓口」はその最大手だ。
来店型保険ショップをよく見かけるようになったのは、比較的最近のことである(調べてみたら、2000年代以降とのことだ)。いまでは道に面した店舗から大型ショッピングセンター、スーパーなど、さまざまな場所で来店型保険ショップを見かけるまでになった。
保険ショップは大きく発展している事業形態だ。それは金融業界と社会環境の変化によるところが大きい。従来のやり方では通じないことも増えてきたなかで、こうした事業形態が増えているのは納得できるところである。
とはいえ本書は、保険ショップそのものについて解説する本ではない。ほけんの窓口が目指すものと戦略を明らかにすることで、金融業界に関わる者が理解するべき社会の流れと考え方を提示するものである。
もはや保険会社や銀行といった業態ごとに異なる部分はほとんどない。だからこそ本書がそのタイトルで呼びかける対象は、広く一般の「金融パーソン」なのである。