見守りカメラで介護の不安を解決
親の在宅介護や遠距離介護をしている方にとって、離れている間にもしも親に何かがあったら……という不安は尽きません。そんなときに便利なアイテムが「見守りカメラ」です。見守りカメラを使うことで、離れて暮らす親の様子を確認したり、緊急時にすぐに対応したりすることができるようになります。
介護保険サービスは使えない
まず気になるのは、見守りカメラが介護保険サービスとして使えるのかどうか。残念ながら、現時点では見守りカメラ自体は介護保険サービスの対象外となっています。しかし、見守りカメラを含む「見守りサービス」全体としては、一部の自治体で介護保険の地域支援事業として認められている場合があります。
例えば、ある自治体では、見守りカメラやセンサーを含む見守りシステムの導入費用の一部を助成する制度を設けています。経済的な負担を軽減しつつ、安心して見守りカメラを導入できる可能性があるので、気になったときはお住まいの地域の地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してみましょう。
介護保険外のサービスについては、こちらもチェックしてみてください。
補助金制度の活用
見守りカメラの導入について、自治体により様々な補助金制度を用意しています。例えば東京都の場合、見守りカメラやセンサーの設置費用の一部を補助する「高齢者見守り機器設置費補助」という制度があります。
補助金の申請方法や金額は自治体によって異なりますので、お住まいの地域の福祉課や高齢者支援課に問い合わせてみましょう。また、地域包括支援センターに相談するのもおすすめです。
介護におすすめの見守りカメラとは
在宅介護や遠距離介護におすすめの見守りカメラにはどのようなものがあるでしょうか。ご自宅にインターネット環境やWi-Fiの環境が整っている場合は問題なく利用できますが、ここでは、環境が整っていない場合でも対処できる、２つのポイントについて解説します。
インターネット不要でも使える
まず、インターネット環境が整っていないケースです。この場合、一般的な携帯電話の通信網を利用して動作する見守りカメラであれば、インターネット回線がなくても利用できます。
例えば、SIMカードを内蔵したカメラを設置すれば、スマートフォンのアプリを通じて親の様子を確認することができます。インターネット環境の整備に手間や費用がかかってしまう場合は、こうしたタイプの見守りカメラはとても便利です。
Wi-Fiなしでも使える
インターネットはつながっているけど、Wi-Fi環境がない……というケースもあるかもしれません。そんなときは、前述のようなSIMカードを内蔵しているタイプや、Wi-Fiではない独自の通信方式を採用しているタイプがおすすめです。
Wi-Fiがなくても使える見守りカメラは、設置場所の自由度が高く、電源さえあれば家のどこにでも設置できるというメリットもあります。Wi-Fi環境の設定や管理が不要なので、親だけでなく介護者の負担も軽減できるでしょう。
おすすめの見守りカメラ
実際に介護現場で活用されている見守りカメラやサービスをいくつか紹介します。
カメラ＆センサー
「みまもりCUBE」
Wi-Fiがない場所でも、コンセントをいれるだけですぐにご利用できる見守りカメラ。離れて暮らす親の様子を確認したり、徘徊などをメールでお知らせしたりしてくれます。
アプリ
「みまもるん」
見守られる方のiPhoneを活用した見守りサービスで、見守られる方の初期設定さえ行えば見守る方の初期設定や日々の操作は一切不要。自動通報や定期通報、緊急通報が可能です。
IoT機器
「LASHIC・居室人感センサー」
人の動きや部屋の温度、湿度、明るさを人感センサーでリアルタイム計測するセンサーです。部屋での様子だけでなく、起床時間や就寝時間などもこれ一つでわかります。
親が見守りカメラを嫌がるときには
離れて暮らす親のために見守りカメラを導入したいと考えても、親の方が嫌がるケースもあります。たとえ家族であっても、プライバシーの侵害を懸念したり、監視されているような不快感を覚えたりするのがその理由です。
こうした場合は、まず親の気持ちに寄り添い、丁寧に説明することが大切です。見守りカメラの目的は、親の安全を確保し、お互いが安心できるようにすることだと伝えましょう。
また、見守りカメラの設置場所や使用時間を限定するなど、親の意見を尊重しながら話し合ってみるのもおすすめです。例えば、「リビングだけに設置する」、「夜間のみオンにする」など、親のプライバシーに配慮しながら、必要最小限の見守りを行うという方法もあります。
どうしてもカメラは嫌だという方には、カメラ以外の見守り方法も検討してみるのも良いでしょう。例えば、センサーのみを使用して動きを検知したり、センサーから得た情報をスマートウォッチがキャッチして現在の健康状態を把握できたりと、親が受け入れやすい方法を探ることも大切なコミュニケーションです。
見守りカメラは、在宅介護や遠距離介護をする方にとってとても便利なアイテムです。より良い介護ライフのために導入するのですから、お互いの気持ちを尊重し、コミュニケーションを取り続けることが何よりも大切です。見守りカメラを上手に活用して、親にとっても家族にとっても安心・安全な介護ライフをお過ごしください。
※今回記載した情報は、2025年３月現在に基づいたものです。
ウェルビオでは、介護に関する様々なお悩みに対するアドバイスを行っているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
