介護施設の種類一覧
介護が必要になったとき、どのような施設を選べばよいのでしょうか？介護施設には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。ここでは、介護施設の種類や特徴について詳しく解説します。
まず、介護施設は大きく分けて、公的施設と民間施設に分類されます。公的施設には、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、軽費老人ホーム／ケアハウス、養護老人ホームなどがあります。一方、民間施設には、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホーム、グループホームなどがあります。
これらの施設は、入居者の介護度や医療ニーズ、経済状況などによって選択されます。それぞれの施設には特徴があり、入居条件や提供されるサービスが異なります。
介護施設と老人ホームの違い
「介護施設」と「老人ホーム」という言葉をよく耳にしますが、これらには違いがあります。介護施設は、介護保険法に基づいて運営される施設で、主に要介護者を対象としています。一方、老人ホームは老人福祉法に基づく施設で、必ずしも要介護者だけを対象としているわけではありません。
介護施設には、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などが含まれます。これらの施設では、専門的な介護サービスが提供されます。老人ホームには、養護老人ホームや軽費老人ホームなどがあり、自立した生活が可能な高齢者も入居できます。
ただし、「老人ホーム」という言葉は一般的に高齢者向けの居住施設を指す場合もあるため、厳密な区別が難しい場合もあります。
公的施設
公的施設は、国や地方自治体が運営または支援する介護施設です。これらの施設は、介護保険制度に基づいて運営され、比較的低料金で利用できることが特徴です。ただし、入居待ちが長いケースも多くあります。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム（特養）は、要介護３以上の方が入居できる施設です。24時間体制で介護サービスが提供され、食事、入浴、排せつなどの日常生活全般のサポートを受けられます。医療的ケアも一部可能です。
介護老人保健施設
介護老人保健施設（老健）は、リハビリテーションを中心とした施設です。医療的ケアと介護サービスを併せて提供し、在宅復帰を目指す方に適しています。医師や看護師が常駐しているのが特徴です。
介護医療院
介護医療院は、長期的な医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者のための施設です。医療的ケアが必要な方に24時間の医療サービスと介護サービスを提供します。2018年に創設された比較的新しい施設類型です。
軽費老人ホーム／ケアハウス
軽費老人ホームは、低所得の高齢者向けの施設です。ケアハウスは軽費老人ホームの一種で、自立した生活が可能な方から要介護者まで幅広く入居できます。食事や生活相談などのサービスが提供されます。
養護老人ホーム
養護老人ホームは、経済的理由や環境上の理由で在宅生活が困難な高齢者のための施設です。市町村が入所を決定し、食事や日常生活上の支援が提供されます。介護サービスは外部の事業者を利用します。
民間施設
民間施設は、民間企業や社会福祉法人などが運営する介護施設です。公的施設に比べて入居のハードルが低く、サービスの種類も豊富です。ただし、費用は公的施設よりも高くなる傾向があります。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、食事、入浴、排せつなどの介護サービスが包括的に提供される施設です。24時間スタッフが常駐し、必要に応じて介護サービスを受けられます。比較的高額ですが、充実したサービスが特徴です。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、生活支援サービスは提供されますが、介護サービスは外部の事業者を利用する施設です。自立した生活が可能な方から要介護者まで幅広く入居できます。費用は介護付きよりも抑えられます。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、自立した生活が可能な高齢者向けの施設です。介護が必要になった場合は退去が必要となります。食事や生活支援サービスは提供されますが、介護サービスは含まれません。
グループホーム
グループホームは、認知症の高齢者向けの小規模な居住施設です。家庭的な環境で、少人数（通常5〜9人）で共同生活を送ります。専門スタッフが24時間体制で支援し、個別ケアが充実しているのが特徴です。
有料老人ホームについては、こちらもチェックしてみてください。
介護施設の種類別費用の目安
介護施設の費用は、施設の種類や提供されるサービスによって大きく異なります。ここでは、各種類の施設における月額費用の目安をご紹介します。
特別養護老人ホーム：約７〜15万円
介護老人保健施設：約10〜20万円
介護医療院：約15〜25万円
軽費老人ホーム／ケアハウス：約６〜15万円
養護老人ホーム：収入に応じて決定（低所得者向け）
介護付き有料老人ホーム：約20〜40万円
住宅型有料老人ホーム：約15〜30万円
健康型有料老人ホーム：約15〜30万円
グループホーム：約15〜25万円
これらの費用には、居室料、食費、光熱水費、介護サービス費などが含まれます。ただし、施設の立地や設備、提供されるサービスの内容によって大きく変動する可能性があります。また、介護保険の自己負担分や加算サービスなどによっても費用が変わってきます。
実際の費用を知るには、各施設に直接問い合わせるのが最も確実です。また、低所得者向けの補助制度もありますので、市区町村の介護保険窓口に相談するのもよいでしょう。
介護施設の選び方
介護施設を選ぶ際は、以下のポイントを考慮することをおすすめします。
- 介護度に適した施設かどうか
- 医療ケアの必要性と施設の対応能力
- 立地（家族の訪問のしやすさなど）
- 費用と経済的負担
- 施設の雰囲気や職員の対応
- 食事の質や選択肢
- アクティビティやレクリエーションの充実度
- 看取りケアの方針
- 契約内容や撤去条件
これらのポイントを踏まえて、実際に施設を見学し、スタッフや入居者と話をすることが大切です。また、複数の施設を比較検討することで、より適切な選択ができるでしょう。介護施設の選び方に関しては、こちらもチェックしてみてください。
種類別入居をおすすめできる方の特徴
各種類の介護施設には、それぞれ適した入居者の特徴があります。以下に、施設ごとの入居をおすすめできる方の特徴をまとめます。
特別養護老人ホーム
要介護３以上で常時介護が必要な方
低所得で長期的な施設入所を希望する方
介護老人保健施設
リハビリテーションに力を入れたい方
在宅復帰を目指す方
介護医療院
長期的な医療的ケアが必要な方
介護と医療の両方のニーズがある方
軽費老人ホーム／ケアハウス
低所得で自立した生活が可能な方
軽度の介護が必要な方
養護老人ホーム
経済的・環境的理由で在宅生活が困難な方
比較的自立した生活が可能な方
介護付き有料老人ホーム
充実したサービスを希望する方
経済的に余裕がある方
住宅型有料老人ホーム
自立度が高く、必要に応じて介護サービスを利用したい方
介護付きよりも費用を抑えたい方
健康型有料老人ホーム
完全に自立した生活が可能な方
将来的な介護に備えたい方
グループホーム
認知症の症状がある方
家庭的な環境での生活を希望する方
これらの特徴を参考にしつつ、個々の状況や希望に合わせて最適な施設を選択することが重要です。また、介護度や健康状態の変化に応じて、適切な施設への移行を検討することも必要です。
介護施設の選択は、高齢者本人とその家族にとって大きな決断です。本人の意思を尊重しつつ、専門家のアドバイスも得ながら、慎重に検討することが大切です。介護保険制度や各種サービスについて理解を深め、より良い選択ができるよう準備することをおすすめします。
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