ホームヘルパー（訪問介護員）とは
ホームヘルパーとは、介護を必要とする高齢者や障がい者の自宅を訪問し、日常生活のサポートを行う専門職のことです。正式には「訪問介護員」といい、介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー２級）以上の資格が必要です。介護保険制度に基づいて提供されるサービスの担い手として重要な役割を果たしており、より高度な知識と技術を持つ介護福祉士の資格を取得している方も多くいます。
ホームヘルパーと訪問介護との違い
「ホームヘルパー」と似た印象の言葉に、「訪問介護」があると思います。よく混同されてしまうのですが、ホームヘルパーが「サービスを提供する方（職業）」を指しているのに対し、訪問介護は「提供されるサービス自体」を指しており、両者は異なるものです。
訪問介護には、主に身体介護と生活援助の２種類があります。
身体介護：入浴、排せつ、食事などの介助
生活援助：調理、洗濯、掃除などの家事援助
これらのサービスを利用する高齢者の自宅で提供するのが、ホームヘルパーです。
ホームヘルパーのメリットとデメリット
ホームヘルパーを利用することには、いくつかのメリットとデメリットがあります。
メリット
自宅で介護を受けられる
慣れ親しんだ環境で生活を続けられるため、精神的な負担が軽減されます。
個別のニーズに対応
一人ひとりの状況に合わせたきめ細かいサービスが受けられます。
家族の介護負担軽減
専門家のサポートにより、家族の身体的・精神的負担も軽くなります。
自立支援
できることは自分で行い、必要な部分だけサポートを受けることで、高齢者の自立した生活を維持できます。
デメリット
コストが高い
介護保険制度によるサービスは、自己負担額が高いため、その分を上回る費用がかかることがあります。
時間の制約
サービスの提供時間が限られているため、24時間のケアは難しいです。
人間関係
相性の良くないホームヘルパーが来る可能性もあります。
プライバシー問題
他人が自宅に入ることへの抵抗感を感じる高齢者もいます。
費用負担
介護保険の自己負担分や保険対象外のサービスには費用がかかります。
ホームヘルパーに頼めること
ホームヘルパーに依頼できる主なサービスは以下の通りです。
身体介護
食事介助（食事の準備から片付けまで）
入浴介助（浴槽への出入り、身体の洗浄など）
排せつ介助（トイレ誘導、おむつ交換など）
衣類の着脱介助
体位変換
移動介助
生活援助
調理（献立作成、買い物、調理、後片付け）
洗濯（洗濯物の仕分け、洗濯、干す、たたむ、収納）
掃除（居室内の掃除、整理整頓）
買い物（日用品の買い物代行）
ゴミ出し
その他
服薬確認
外出の付き添い（通院や散歩など）
ただし、医療行為や利用者本人以外のための家事は原則として行えません。また、ホームヘルパーの業務範囲は介護保険制度によって定められているため、制度外のサービスを依頼する場合は別途料金が発生することがあります。
ホームヘルパーを依頼する流れ
ホームヘルパーのサービスを利用するには、以下の手順を踏む必要があります。
介護保険の申請
市区町村の介護保険窓口で要介護認定の申請を行います。
介護保険申請についてはこちらもチェックしてみてください。
要介護認定
訪問調査と主治医の意見書をもとに、介護の必要度が判定されます。
要介護認定についてはこちらもチェックしてみてください。
ケアプランの作成
要介護認定を受けた後、ケアマネジャー（介護支援専門員）と相談しながら、個別のケアプランを作成します。
サービス事業者の選択
ケアプランに基づいて、適切な訪問介護事業者を選びます。
契約
選んだ訪問介護事業者と契約を結びます。
ホームヘルパーの利用開始
ケアプランに従って、ホームヘルパーによるサービスが開始されます。
利用者の状態や家族の状況に変化があった場合は、ケアマネジャーに相談し、ケアプランの見直しを行うこともできます。
ケアマネジャーについてはこちらもチェックしてみてください。
訪問介護以外の訪問サービス一覧
ホームヘルパーによる訪問介護以外にも、自宅で受けられる訪問サービスがあります。主なものを紹介します。
訪問看護
看護師などが自宅を訪問し、医療的ケアや療養上の世話を行います。
訪問リハビリテーション
理学療法士や作業療法士が自宅を訪問し、リハビリテーションを行います。
訪問入浴介護
移動式の浴槽を使用して、自宅で入浴介助を行います。
居宅療養管理指導
医師、歯科医師、薬剤師などが自宅を訪問し、療養上の管理や指導を行います。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
24時間体制で、定期的な訪問と随時の対応を組み合わせたサービスです。
夜間対応型訪問介護
夜間の定期巡回や通報による訪問介護を行います。
これらのサービスを組み合わせることで、より充実した在宅介護を受けることができます。どのサービスを利用するかは、ケアマネジャーと相談しながら決めていくことが大切です。
介護保険サービスについてはこちらもチェックしてみてください。
ホームヘルパーは、高齢者が住み慣れた自宅で安心して生活を続けるための重要な介護保険サービスです。高齢者や家族の状況に合わせて、上手に活用していきましょう。ウェルビオでは、介護に関する様々なお悩みに対するアドバイスを行っているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
