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ホームヘルプサービスで身の回りのサポートをお願いしたい! 何をどこまでしてくれる?

カイゴさん

ホームヘルプサービスには、掃除、洗濯、調理などをサポートする生活援助と、食事や入浴、排泄などを介助する身体介護があります。ただし、何でもお願いできるわけではないので、介護保険での対象外となる場合は、民間サービスや有償ボランティアを併用することをおすすめします。

解説:介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子 先生

介護保険のホームヘルプサービスは制限がある

介護保険サービスには、自宅に来てもらって利用するサービス、本人が出かけていって利用するサービスなど、様々な種類があります。

自宅まで来てもらって利用できる介護サービスの代表格は「訪問介護(ホームヘルプ)」です。ホームヘルパーが、1回当たり数十分~1時間半程度来て、掃除・洗濯・買い物・調理などの生活支援(生活援助)や、食事・排泄・入浴などの介護(身体介護)を行ってくれるものです。介護保険でも利用できますし、民間サービスや有償ボランティアサービスでも実施されています。

介護保険のサービスなら、1~3割負担で利用できます。ただし、何でもお願いできるわけではなく、次のようなサポートは対象外です。

直接利用者の援助に該当しないサービス

(例)利用者の家族のための家事や来客の対応 など

日常生活の援助の範囲を超えるサービス

(例)草むしり、ペットの世話、大掃除、窓のガラス磨き、正月の準備 など

医療的なケアや通院受診待ちの付き添いなども依頼することはできません。また、子が同居している場合は「生活援助」は利用不可としている自治体が多いので注意が必要です。

民間・有償ボランティアサービスを組み合わせる

例えば親が愛犬と暮らしていて、介護が必要になった場合、犬の散歩は、介護保険のホームヘルプではお願いできません。

愛犬と生活していた1人暮らしの70代女性のケースでは、転倒をきっかけに歩行には杖が必要となり、介護保険で掃除や買い物をお願いするようになりました。その際、犬の散歩に関しては、ケアマネジャーと相談し、地域の有償ボランティアサービスに依頼しました。

このように、介護保険で対象外となるサポートについては、民間サービスや有償ボランティアのサービスを利用するのもおすすめです。どのようなサービスがあるのかわからない場合は、地域包括支援センターやケアマネジャーなどの介護のプロに相談してみるのが良いでしょう。

嫌ならやめればいい

ホームヘルプサービスの利用を提案したところ、「家に他人が来たら疲れるだけだ」と親から拒否をされた、という話をよく耳にします。しかし、嫌がられたからといって利用を諦めてしまうと、家族の負担が増えたり、親の生活がスムーズに運ばなくなったりする可能性があります。

最初は嫌がっていた親が、定期的にホームヘルパーが来ることで次第に心を開くようになったという体験談も少なくありません。ケアマネジャーとも相談し、「嫌ならやめればいいから」と、まずは利用を開始してみてはいかがでしょうか。

介護保険で自宅を訪問してもらうサービスには、専用の浴槽を使って入浴をサポートしてくれる「訪問入浴」や、看護師が訪問する「訪問看護」、リハビリ専門スタッフが訪問する「訪問リハビリ」などもあります。

介護保険で利用できる主な「訪問系サービス」

訪問介護

ホームヘルパーが利用者の自宅を訪問して、掃除や洗濯などの生活援助や、食事や入浴などの身体介護を行う。

訪問入浴介護

看護師を含めたスタッフが自宅に訪問し、移動式浴槽を用いて入浴介護を行う。

訪問看護

看護師が自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助を行う。

訪問リハビリテーション

理学療法士、作業療法士などが自宅を訪問し、心身機能の維持回復や日常生活の自立に向けたリハビリを行う。

居宅療養管理指導

薬剤師や栄養士などが自宅を訪問し、療養上の管理・指導・助言などを行う。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

24時間体制で、訪問介護と訪問看護が密接に連携しながら、定期巡回と随時の対応を行う。

親の生活がより快適で安心・安全なものとなるよう、これらのサービスを上手に活用したいものです。

太田差惠子先生

解説:介護・暮らしジャーナリスト

太田差惠子 先生

京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「高齢者施設」などについて、様々なメディアを通して情報を発信する。AFP(ファイナンシャルプランナー)の資格も持ち「介護とお金」にも詳しい。『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第3版』(翔泳社)など著書多数。

ウェルビオでは、介護予防や健康維持のお悩みに対するアドバイスを行っています。
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