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在宅介護

デイサービスの利用を親に勧めたら「幼稚園児じゃない!」と怒りだしてしまった

カイゴさん

介護保険には、デイサービスやデイケアなど、「通所系」と呼ばれるサービスがあります。ところが、親御さんにこれらのサービスを勧めたら、急に怒りだしてしまったという声を聞くことがあります。こんなとき、どのように対応すればいいのでしょうか?

解説:介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子 先生

送迎付きの日帰り介護サービス

介護保険には、施設などに通って介護を受ける「通所系」と呼ばれるサービスがあります。

通所系サービスの代表格は「デイサービス」です。事業所ごとで行っているのでプログラム内容は異なりますが、デイサービスセンターなどで、他の利用者と一緒に介護やレクリエーションなどのサービスを利用します。

似たサービスに「デイケアサービス」があります。こちらは主治医の指示のもとリハビリなどをメインに行うものです。また、「ショートステイ」というサービスもあります。

介護保険で利用できる主な「通所系サービス」

・デイサービス(通所介護)

通所介護施設で食事や入浴などの日常生活上の支援や機能回復のための支援を行う。

・デイケア(通所リハビリテーション)

老人保健施設や医療機関などで、食事、入浴などの日常生活上の支援や機能回復のためのリハビリを行う。

・ショートステイ(短期入所)

「短期入所生活介護」は福祉施設に短期間入所して、日常生活上の支援や機能訓練などを行う。
「短期入所療養介護」は老人保健施設や医療施設などに短期間入所して、日常生活上の支援やリハビリなどを行う。

いずれも送迎付き(ショートステイは希望による)で、朝8時半くらいにワゴン車などで迎えに来て、夕方5時前後に送ってくれるのが一般的です。リハビリなどに特化した、短時間タイプのサービスもあります。

親が嫌がる場合は他のデイサービスを見学

ところが、デイサービスというと、輪になってみんなで歌うようなイメージが強いのか、いざ勧めてみると「幼稚園児じゃない!子どもじゃないんだから歌ったりするなんて嫌だ!」と利用を拒否する親が少なくありません。

親が嫌がる場合は、ケアマネジャーに相談して、他のデイサービスも見学してみましょう。参加する人数や男女比、要介護度によっても、それぞれセンター独自の雰囲気があります。マシントレーニングをメインにしたデイサービスを見学したところ、「スポーツジムみたい!」と親が納得したという方もいました。

介護者の共倒れを防ぐ目的も

「ショートステイ」は、施設に宿泊して(最長30日)、日常生活上の介護や機能訓練を受ける通所系サービスです。介護する家族が出張や冠婚葬祭などで留守にするときなどに助かります。

通所系サービスは、家族の不在時などに要介護者の自立をサポートするだけでなく、介護を行う家族の“休息”時間を確保することも大きな目的だと言えます。高齢の親が2人暮らしの場合も、介護を要する方がデイサービスやショートステイに行くと、「その間、ひと息つくことができて、自分の時間を持てる」という声をよく聞きます。「お父さんがデイサービス(ショートステイ)に行かないと、お母さんが倒れてしまう。お母さんが倒れたら、自宅で暮らせなくなるよ」と言って、父親に利用を促した方もいました。共倒れしないためにも、ぜひ積極的に利用してもらいたいものです。

太田差惠子先生

解説:介護・暮らしジャーナリスト

太田差惠子 先生

京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「高齢者施設」などについて、様々なメディアを通して情報を発信する。AFP(ファイナンシャルプランナー)の資格も持ち「介護とお金」にも詳しい。『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第3版』(翔泳社)など著書多数。

ウェルビオでは、介護予防や健康維持のお悩みに対するアドバイスを行っています。
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