仕事を休んででも付き添うことを推奨
要介護認定を受けるときに、親によってはできないことも「できます!」と答えてしまうことがあります。「できない」と言うのは格好悪いと思うのか、介護サービスを利用することを申し訳ないと考えるのか……。認知症があって、初めて会う調査員の前ではしゃきっと元気に振る舞うというケースもよく聞きます。
できるだけ自立して生きようという思いは素晴らしいことですが、できないことを「できる」と答えてしまうと、要介護認定の結果が低くなってしまい、必要なサポートを受けられない可能性があるので注意が必要です。
親には「普段通りの状態を知ってもらうことが大事」と事前に伝えておきましょう。それでももし頑張ってしまい普段の状態が伝わらない場合は、親の見ていないところで(目の前で話すとプライドを傷つけてしまうので)、「実は、こういう状態です」と調査員に本来の状況を話せば、特記事項として書き添えてくれます。例えば、“焦がしてしまった鍋”など認知症の兆候がわかる写真などがあれば、調査員に見せるのも有効です。大切な調査なので、できれば仕事を休んででも付き添うことをおすすめします。
介護サービスを受けることに納得している?
親が要介護認定で格好をつけてしまう場合、「サービスなんて利用しなくても大丈夫」と、サービス利用に納得していないケースがあります。強引に進めてもうまくいかず、「認定調査の直前に逃亡された」という声を聞くこともあります。
子が言っても納得してくれない場合、主治医から言ってもらうと、嫌々ながらも納得してくれることもあります。自分の言葉に耳を貸してくれない場合は、医師に相談してみましょう。
「区分変更」で認定をやり直してもらう
実際に出てきた要介護認定の結果について、納得できない場合もあるかもしれません。そのようなときには、調査をやり直してもらう方法があります。「区分変更」といい、認定後に心身の状態が変わった場合に、次の更新を待たずに認定調査を行う方法です。
再度認定調査を受け、主治医に意見書の発行をしてもらい、介護認定審査会を通して新たな要介護度が決定されます。申請を検討する場合は、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談しましょう。