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介護保険

要介護認定の調査員には元気な態度……一人でできないことも「できます!」と答える親への対応

カイゴさん

要介護認定を受けるときに、できないこともつい「できます!」と答えてしまう親御さんがいます。しかし、そうすると要介護認定の結果が低くなってしまい、必要なサポートを受けることができない可能性も。そうならないようにするためには、どのような対応をすればいいのでしょうか?

解説:介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子 先生

仕事を休んででも付き添うことを推奨

要介護認定を受けるときに、親によってはできないことも「できます!」と答えてしまうことがあります。「できない」と言うのは格好悪いと思うのか、介護サービスを利用することを申し訳ないと考えるのか……。認知症があって、初めて会う調査員の前ではしゃきっと元気に振る舞うというケースもよく聞きます。

できるだけ自立して生きようという思いは素晴らしいことですが、できないことを「できる」と答えてしまうと、要介護認定の結果が低くなってしまい、必要なサポートを受けられない可能性があるので注意が必要です。

親には「普段通りの状態を知ってもらうことが大事」と事前に伝えておきましょう。それでももし頑張ってしまい普段の状態が伝わらない場合は、親の見ていないところで(目の前で話すとプライドを傷つけてしまうので)、「実は、こういう状態です」と調査員に本来の状況を話せば、特記事項として書き添えてくれます。例えば、“焦がしてしまった鍋”など認知症の兆候がわかる写真などがあれば、調査員に見せるのも有効です。大切な調査なので、できれば仕事を休んででも付き添うことをおすすめします。

介護サービスを受けることに納得している?

親が要介護認定で格好をつけてしまう場合、「サービスなんて利用しなくても大丈夫」と、サービス利用に納得していないケースがあります。強引に進めてもうまくいかず、「認定調査の直前に逃亡された」という声を聞くこともあります。

子が言っても納得してくれない場合、主治医から言ってもらうと、嫌々ながらも納得してくれることもあります。自分の言葉に耳を貸してくれない場合は、医師に相談してみましょう。

「区分変更」で認定をやり直してもらう

実際に出てきた要介護認定の結果について、納得できない場合もあるかもしれません。そのようなときには、調査をやり直してもらう方法があります。「区分変更」といい、認定後に心身の状態が変わった場合に、次の更新を待たずに認定調査を行う方法です。

再度認定調査を受け、主治医に意見書の発行をしてもらい、介護認定審査会を通して新たな要介護度が決定されます。申請を検討する場合は、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談しましょう。

太田差惠子先生

解説:介護・暮らしジャーナリスト

太田差惠子 先生

京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「高齢者施設」などについて、様々なメディアを通して情報を発信する。AFP(ファイナンシャルプランナー)の資格も持ち「介護とお金」にも詳しい。『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第3版』(翔泳社)など著書多数。

ウェルビオでは、介護予防や健康維持のお悩みに対するアドバイスを行っています。
わからないことや不安なことがあったときは、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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