まずは「地域包括支援センター」に相談
65歳になると「介護保険被保険者証」が自治体から交付されます。公的医療保険の被保険者証と似ていますが、提示するだけではサービスを利用することはできません。親が「支援や介護が必要な状態」と認定(要介護認定)されて、初めてサービスを利用できるのです。
親の心身機能の低下などで心配なことがあったら、まずは「地域包括支援センター」に相談してみましょう。ケガや病気で入院していた親の退院が近づいたときにも相談を。向こうはプロなので、介護保険を申請すべきか、他のサービスを利用すべきかなど判断し提案してくれるはずです。
要介護認定を受ける手順


要介護認定を受けるには、自治体の役所の窓口か、地域包括支援センターに申請します。申請すると、自治体の職員などが訪問し74項目の聞き取りによる「認定調査」が行われます。
一方、主治医が医学的な立場から「意見書」を作成します。これらの情報をもとに、コンピュータによる一次判定が行われ、その結果を原案として介護認定審査会が協議して二次判定が行われます。
なお、認定調査を受けるときに、気を付けたい注意点があります。親の普段通りの状態を職員に知ってもらえるように、無理に頑張らせたり、普段とは違う様子を見せたりしないことが大切です。訪問調査では、普段通りの生活の様子を伝えることが大切です。
要介護認定の結果は7段階
申請してから結果が出るまではおよそ30日ほどかかります。認定結果では、親の支援や介護の必要度合いが、「要介護度」として7段階に区分されます。そして介護保険は、それぞれの要介護度に応じて定められている1カ月の利用限度額のなかでサービスを利用できます。利用者が負担するのは原則1割(所得によっては、2割、3割)です。つまり、要介護度が高いほど、利用できるサービスの範囲が広がり、限度額も高くなります。一方で、利用者負担も高くなる点は覚えておきましょう。


要介護認定の結果、支援や介護の必要性が認められず「非該当」となることもあります。しかし、自治体が行う様々なサービスを利用できる場合もあります。また、申請後に「結果がでるまで30日も待てない」という場合は、結果を待たず暫定的にサービスの利用を開始する方法もあるので、不明点や悩みがあれば、遠慮せず窓口で相談しましょう。