「ケアプラン」を作成しサービスを調整する人
介護が必要になったとき、頼りになるのがケアマネジャーですが、ケアマネジャーとはどのような専門家でしょうか?
介護保険の要介護認定を受け、「支援や介護が必要」と認められると、ケアプラン(介護サービスなどの提供についての計画)を作成し、そのプランに沿ってサービスを利用することになります。ケアプランは自己作成(マイケアプラン)もできますが、介護のプロに作成してもらうことが一般的です。
ケアプランは、要支援の場合は地域包括支援センター、または市区町村から介護予防支援の指定を受けたところのケアマネジャーが作成します。要介護の場合は、居宅介護支援事業者に所属するケアマネジャーが作成します。
このケアマネジャーの正式名称は「介護支援専門員」。要支援・要介護の人の相談に応じるとともに、サービス(訪問介護、デイサービスなど)を受けられるようにケアプランの作成や市町村・サービス事業者・施設などとの連絡調整を行う人です。1度きりの関係ではなく、サービスの利用を開始した後も、1カ月に1度くらい自宅に来てくれて、本人の状況を確認のうえ、必要に応じてサービスを調整してくれます。
ケアマネジャーの基礎資格は様々
要支援の場合、地域包括支援センターは住んでいる場所によって管轄が決まっているので迷うことはないのですが、問題は要介護となった場合です。ケアマネジャーが所属する事業者の一覧をもらえますが、どの事業者を選ぶかは本人か家族に委ねられます。
ケアマネジャーとして働いている人は福祉や医療の国家資格などを持ち、その分野で5年以上の経験を積んでいます。基礎資格は社会福祉士、介護福祉士、保健師、看護師、理学療法士(PT)……など様々です。
例えば、前職が介護福祉士だった人であれば当然ながら介護に詳しいでしょう。一方、看護師だった人なら病気など医療面に詳しく、医療職との連携がスムーズかもしれません。もし、探す際に迷いが生じたら、基礎資格を聞いてみるのも方法の一つです。
ただし、前職が何であれ、「話しやすい人」がいいと思います。人間同士なので相性がありますし、まずは考え過ぎず、近所の事業者、かかっている病院の系列の事業者、親の知人が利用している事業者などに当たってみましょう。
一度会ってみて、「話しやすそう」と思ったら正式に依頼します。少しずつ介護保険のことやケアプランのことを理解できるようになるでしょう。
不満があればあとから変更できる
それでも、何度か会ううちに「このケアマネジャーさん、なかなか連絡がつかない」とか、「お願いしても、希望するサービスをケアプランに組み込んでくれない」、「気持ちに寄り添ってくれない」など不満が出てきたら、あとから変更できるので心配無用です。
「えっ、断るの? そんなことできない」と思う人もいるかもしれませんが、ケアマネジャーを変更できる、というのは制度で決まっていることなので遠慮する必要はありません。もし言いにくいなら、「親との相性が悪くて……」という言い方をしてもいいでしょう。親のせいにするのは気が引けるところかもしれませんが、親のための介護なので、そのやりとりをスムーズにするためと考えれば、悪い方法ではないのではないでしょうか。もし同じ事業者内に複数のケアマネジャーがいれば、他の人に変わってもらうこともできます。別の事業者に変えたい場合は、地域包括支援センターに相談してみるのも方法です。地域包括支援センターは中立な機関なので事業者の紹介はしてくれませんが、相談にはのってくれると思います。
地域包括支援センターについては、こちらをチェックしてみてください。
いずれにせよ、ケアマネジャーは、介護をスムーズに進めるための大切なパートナーです。不安や不満なことがあれば、遠慮せずに相談しましょう。