「キーパーソン」とは大切なことを決める人
親が入院した病院で手続きをしていると、手続き用紙に「キーパーソン」という欄が設けられていることがあります。「キーパーソンは誰ですか?」と、問われることもあるでしょう。病院によっては、「入院保証人」=「キーパーソン」という括りで考えているところもありますが、違うニュアンスで使っているところもあります。
言葉の意味合いを理解して役割を担おう
入院保証人とは
利用料金などの支払い、緊急時の連絡対応や遺体や身柄の引き取りなどを保証する人。
キーパーソンとは
本人や家族間の意見調整をし、医療や介護の専門職との窓口になる。本人の判断力が低下した場合は、代わって決断する人。
「入院保証人」は、入院費用の支払いや緊急時の連絡対応、不幸にして死亡した際の遺体の引き取りなどを保証する人であるのに対し、「キーパーソン」とは大切なことを決断する人のことです。
「キーパーソン」は何を決めるの?
それでは、キーパーソンは何を決めることになるのでしょう。
例えば、複数の治療法がある場合、どの治療を選ぶか決断しなければなりません。また、治療中に親御さんが管を抜いてしまう可能性がある場合は、拘束が必要になるかもしれません。この場合、承諾なしに拘束すると高齢者虐待に該当する可能性があるのです。
一方、ある程度の年齢になってから入院すると、重篤でなくても「病状が悪化した場合、延命治療を希望しますか?」と問われることがあります。本人の判断力がしっかりしている状況では本人が決めることですが、そうでない場合に判断するのもキーパーソンの役割です。
このように、キーパーソンは、親の代わりに、
- どの治療法を選ぶか
- 拘束について承諾するか
- 延命治療を行うか
といった、重要な判断を下す役割を担います。
病院だけでなく、自宅や高齢者施設で介護を受ける場合も、親が判断できない状況になった際は、キーパーソンが最終判断を下すことになります。
キーパーソンは、親の代わりに、重要な決断を下す責任のある立場です。言葉の意味を理解し、親の意思を尊重しながら、適切な役割を担いましょう。