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入退院

病院窓口で「キーパーソンは誰ですか」と聞かれたら?ケア責任者を事前に整理しておこう

カイゴさん

親御さんが入院するとき、病院の手続き用紙に「キーパーソン」という欄が設けられていることがあります。「何のこと?」と慌てないように、入院時にポイントとなるキーパーソンについて知っておきましょう。

解説:介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子 先生

「キーパーソン」とは大切なことを決める人

親が入院した病院で手続きをしていると、手続き用紙に「キーパーソン」という欄が設けられていることがあります。「キーパーソンは誰ですか?」と、問われることもあるでしょう。病院によっては、「入院保証人」=「キーパーソン」という括りで考えているところもありますが、違うニュアンスで使っているところもあります。

言葉の意味合いを理解して役割を担おう

入院保証人とは

利用料金などの支払い、緊急時の連絡対応や遺体や身柄の引き取りなどを保証する人。

キーパーソンとは

本人や家族間の意見調整をし、医療や介護の専門職との窓口になる。本人の判断力が低下した場合は、代わって決断する人。

「入院保証人」は、入院費用の支払いや緊急時の連絡対応、不幸にして死亡した際の遺体の引き取りなどを保証する人であるのに対し、「キーパーソン」とは大切なことを決断する人のことです。

「キーパーソン」は何を決めるの?

それでは、キーパーソンは何を決めることになるのでしょう。

例えば、複数の治療法がある場合、どの治療を選ぶか決断しなければなりません。また、治療中に親御さんが管を抜いてしまう可能性がある場合は、拘束が必要になるかもしれません。この場合、承諾なしに拘束すると高齢者虐待に該当する可能性があるのです。

一方、ある程度の年齢になってから入院すると、重篤でなくても「病状が悪化した場合、延命治療を希望しますか?」と問われることがあります。本人の判断力がしっかりしている状況では本人が決めることですが、そうでない場合に判断するのもキーパーソンの役割です。

このように、キーパーソンは、親の代わりに、

  • どの治療法を選ぶか
  • 拘束について承諾するか
  • 延命治療を行うか

といった、重要な判断を下す役割を担います。

病院だけでなく、自宅や高齢者施設で介護を受ける場合も、親が判断できない状況になった際は、キーパーソンが最終判断を下すことになります。

キーパーソンは、親の代わりに、重要な決断を下す責任のある立場です。言葉の意味を理解し、親の意思を尊重しながら、適切な役割を担いましょう。

太田差惠子先生

解説:介護・暮らしジャーナリスト

太田差惠子 先生

京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「高齢者施設」などについて、様々なメディアを通して情報を発信する。AFP(ファイナンシャルプランナー)の資格も持ち「介護とお金」にも詳しい。『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第3版』(翔泳社)など著書多数。

ウェルビオでは、介護予防や健康維持のお悩みに対するアドバイスを行っています。
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