「入院保証人」は子が担うことが多い
「お母さんが急に病院に運ばれて……保証人とかお金ってどうすればいいの?」
親が入院することになったら、支払いに関する手続きや同意書への署名など、様々な手続きが必要です。初めての出来事であれば、戸惑ってしまうのも無理はありません。
もし、もう一人の親が一緒にいて手続きをしてくれるなら安心ですが、一人暮らしだったり、もう一人の親も体調が優れなかったりする場合は、子が手続きを代行することになるでしょう。
手続きでは、いくつかの書類に署名を求められます。その際にもっとも大切なのは「入院保証人」欄に名前を書くことです。これは、緊急時の連絡先として、病院から連絡を受け、入院費などの支払い、万が一の場合の身柄の引き取りなどを保証する役割を担うという署名です。
ひとりっ子の場合は選択の余地はありませんが、兄弟姉妹がいる場合は、事前に相談の上で誰が署名するか決めておくと良いでしょう。容態の急変などで、たびたび病院から連絡が入る可能性があります。
「入院保証金」は現金支払いが多い
入院手続きを行う際に、「入院保証金」を支払うことが一般的です。最終的に退院時に請求される入院費と精算されるので払い過ぎる心配はないのですが、初めてのことだと「戻ってくるの?」と不安になるかもしれません。金額は病院によって異なり、5~30万円くらいです。クレジットカードでの支払いができず、現金払いのみとする病院もあります。
このとき、入院した親は臥せっている状態なので、子が支払うことになるでしょう。後から親に対して「返して」と言いにくいと思うなら、「保証金が必要だから立て替えるね」とか、「保証金を払わなければならないんだけど、どのお金を使えばいい?」などとひと声かけるといいかもしれません。入院時・退院時はバタバタするので、入院保証金を子が立て替えていることに気づかない親もいると思います。
突然の事態に備えて入院セットを準備
入院時に必要な洗面用具やルームシューズなどは、ほとんどが病院内の売店で売っています。パジャマやタオル類は、1日数百円でレンタルできるところが多いです。
高齢の親が一人で暮らしている場合、“突然の入院”に備えて、必要なもの一式を普段からバッグにまとめおいてもらうと安心です。必ず必要になる健康保険証(マイナ保険証)やお薬手帳の保管場所も聞いておきましょう。
入院時に必要な入院バッグに入れておきたいもの(例)
- パジャマ・下着(レンタル可)
- 洗面具・入浴用具
- 割れにくいコップ・スプーン
- タオル類(レンタル可)
- ルームシューズ(滑りやすいスリッパは避けるのがおすすめ)
- 必要最小限の日用品(ラジオなど)
など
※健康保険証(マイナ保険証)やお薬手帳の保管場所も要確認
「親の入院」は、突然、自分事となります。できることから事前に備えておけると安心感が高まります。