親から電話をかけてもらう
親が一人暮らしの場合、「もし自宅で倒れていても、誰も気づかないかもしれない……」と心配なものです。そんな不安を軽減するために、定期的に親に電話をかけるという方は多いのではないでしょうか。一方で、親から子に電話をかけてもらうのも一案です。
ある家庭では、親から「月・水・金の20時」は長女に、「火・木・土の21時」は長男に電話してもらうようにしています。「調子が悪くなると、曜日や時間がよく分からなくなるので、異変を察知しやすい」とのことでした。
ただし、自分から電話をするにしろ、親からかけてもらうにしろ、電話が通じないときにどうするかを考えておく必要があります。遠方に暮らしている場合は、親の近所の誰かにのぞいてもらう必要もあるでしょう。
毎日何らかのサービスを利用する
「電話だけでは不安…」という方は、毎日、何らかのサービスを利用してみましょう。
毎日、何らかのサービスを利用すれば、親はヘルパーやスタッフと顔を合わせることになるので、もし異変があっても察知してもらうことができ、家族に連絡が入るはずです。しかし、毎日、サービスを利用するとなれば費用もかかりますし、介護保険の認定度合いによっては、それほどサービスを利用することはできないかもしれません。
ホームヘルプサービスやデイサービスを利用しない日は、食事の宅配サービスを利用するのもおすすめです。中には、手渡しを基本とし、宅配時に、本人の様子がいつもと違うと、配達員が家族に知らせてくれるというサービスもあります。万が一のことがあった場合でも、早期に発見できるので、安心感が高まります。
機器やセンサーで見守る方法もある
最近では、IT技術が進歩しているので、それらを活用して親の見守りを行うこともできるでしょう。
一例ですが、LINEビデオで、毎朝、一人暮らしの母親と朝食を一緒に食べる、という方がいました。スマホの画面越しからではありますが、毎朝15分ほどを一緒に過ごすことで、体調の変化に気づくことができるそうです。
機器やセンサーによる「見守りサービス」にも様々なタイプがあります。親の居室にカメラを取り付けて日常の様子を見て確認している人がいました。「カメラは見張られているようで嫌」という親には、センサータイプとか、ロボットタイプだと受け入れてもらいやすいかもしれません。
また、ほとんどの自治体で「緊急通報システム」を用意しています。利用条件やサービス内容は自治体ごとに違いますが、親が身につけている緊急ボタンを押すと、地域住民や警備会社のスタッフなどが駆けつけ、必要に応じて救急車を呼んでくれるものです。民間のホームセキュリティサービスでも、同様のサービスを提供しているところがあります。
離れて暮らす親の見守り方
①家族で見守る
電話やビデオチャットなどで定期的に連絡しあう。
②ホームヘルプサービス、デイサービス、食事の宅配サービスなどを組み合わせて利用する
毎日、何らかのサービスを利用することで、早期に親の緊急事態を察知できる。
③ITによる見守りサービスを利用する
センサーなどによって親が普段通りに生活していることを把握する。ロボットタイプなど様々な種類がある。本人が嫌がらなければ、カメラの設置も選択肢。
④緊急通報システムを利用する
多くの自治体で公的サービスとして提供している。緊急時に親がボタンを押すことで通報できる仕組み。民間のホームセキュリティサービスでも緊急ボタンを用意している。
地域にどのようなサービスがあるかについては、親の地元の地域包括支援センターで教えてくれます。民間サービスについては、ネットで検索してもいいでしょう。大切なのは、親の状況に合わせて、安心できる方法を見つけることです。