女性の転職で持っておくと有利な資格10選

あなたが転職したい業種や職種によっては、資格があると有利になる場合があります。

しかし、資格を取得するには、時間と労力がかかりますし、資格によっては費用も必要になります。転職するにあたって、資格が有利に働けば、お金をかけて苦労した甲斐がありますが、有利に働かなければ、無駄な努力になってしまいます。

この章では、転職において、どんな人物が求められるのかという視点から、資格が有利か考えてみましょう。

転職で求められる要素の一つに、積極性が挙げられます。

企業は、自ら課題を見つけて積極的に行動する人物を求めています。いわゆる「自律型人材」と呼ばれる人材です。自律型人材が必要とされる背景には、激しく変化する社会環境やグローバル化があります。さらに、働き方改革や新型コロナウイルスによる、テレワークの浸透が自律型人材の必要性を高めています。

自律型人材が求められる今の転職市場では、資格はそれの裏付けになるでしょう。そして、転職する業種や職種で必要とされる資格を自ら考え取得していることは、積極性を強くアピールするポイントになります。

業務と関連のある資格を持っている人材は、即戦力を必要としている転職において有利です。

例えば、事務職への転職の場合、「MOS（マイクロソフトオフィススペシャリスト）」などの資格が活きます。転職の場面では、資格は企業が採用候補者を知るための大きな要素になります。履歴書にも必ず資格の欄があるのは、その証拠です。

そのため、転職をする際に関連性の高い資格があると男女を問わず、有利に働くでしょう。

厚生労働省が発表した「令和2年の働く女性の状況」によると、労働力人口総数に占める女性の割合は 44.3％となっています。

日本の労働力人口総数に占める女性の割合は、昭和60年からみてみると毎年増加し、ここ数年は44％台で推移しています。

また、令和2年の女性の労働力率（労働力人口÷15歳以上人口）を年齢別にみると、以下4つの年代においては、過去最高の水準となっています。

・「25～29 歳」
・「30 ～34 歳」
・「60～64 歳」
・「65 歳以上」

これらのデータから、働く女性が増えており、人生の多くの期間において働いている実態が見えてきます。

そのため、女性が自立できて一生食べていくためにも、資格の注目度が上がっていることが推測されます。

女性の転職者に人気の資格を希望する仕事別にまとめました。

・病院での事務の仕事：医療事務
・調剤薬局の接客や事務の仕事：調剤薬局事務
・ドラッグストアなどで一般用医薬品を販売する仕事：登録販売者
・子供と関わる仕事：保育士、チャイルドカウンセラー資格
・一般事務の仕事：簿記、MOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）
・不動産業界の仕事：宅地建物取引士（宅建士）
・金融業界の仕事：ファイナンシャルプランナー（FP）

なお、汎用性が高く、女性におすすめの資格は次でまとめています。

女性の転職に役立つ資格として定番のものは以下の4つです。

・簿記
・MOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）
・ITパスポート
・TOEIC

その中でも、「簿記」はビジネスパーソンが取ってよかった資格の中でも最上位に位置しています。

また、女性のライフイベントである、結婚・出産・育児・夫の転勤などの時に役に立つ資格としては以下の5つが挙げられます。

・保育士
・医療事務
・調剤薬局事務
・介護事務
・歯科助手

これら5つの資格のうち、いずれかをもっていると再就職がしやすいでしょう。

厚生労働省が発表した「令和2年の働く女性の状況」のデータでは、令和2年の女性雇用者数を産業別にみると、以下の順になっています。

・1位：「医療、福祉」 640 万人（女性雇用者総数に占める割合 23.7％）
・2位：「卸売業、小売業」518 万人（同 19.2％）
・3位：「製造業」294 万人（同 10.9％）
・4位：「宿泊業、飲食サービス業」214 万人（同 7.9％）

女性の雇用者数が多い業種は、女性の転職市場で人気の業界と言えるでしょう。

また、女性が転職したい企業は、Google、トヨタ自動車、楽天、アマゾンジャパンなどが上位になっています。トヨタ自動車や楽天といったグローバル企業では「TOEIC」や「実用英語技術検定」などの外国語の資格が転職の際に役立ちます。

一方、Googleやアマゾンジャパンといった外資IT企業では募集業務に合ったIT関連の資格が有利となるでしょう。

ここでは具体的に、女性に人気の職業や職種で求められる資格10個について、以下3つの観点で解説します。

・資格取得のメリット
・資格取得の難易度
・資格取得に必要な勉強時間

また、解説する資格は以下の10個です。

・TOEIC
・MOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）
・ITパスポート
・簿記検定
・宅地建物取引士（宅建士）
・FP（ファイナンシャルプランナー）
・秘書技能検定
・医療事務
・介護職員初任者研修
・保育士

それでは各資格について、解説していきます。

TOEICはスコアが出ることにより、明確に外国語のスキルをアピールできるメリットがあります。

グローバル化が進み、外資系企業やグローバル企業だけでなく、多くのの日本企業が英語力を持った人材を求めている現状において、役に立つ資格のひとつでしょう。

TOEICは合否ではなく、10～990点のスコアで結果がでます。履歴書に書けるレベルでいうと、最低600点～になりますが、転職に有利になるレベルでいうと800点は必要です。


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【TOEIC】
①勉強時間
1,200時間（スコア500→800の場合）
②難易度(合格率)
TOEICスコア800の場合、英検準1級から1級レベルの難易度
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マイクロソフト社のツールは多くの企業で使われています。そのため、MOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）は、業種に関わらず必要とされる資格です。

MOSの試験は以下の3つのバージョンに分かれています。

・MOS 2013
・MOS 2016
・MOS 365&2019

また、それぞれのバージョンで、Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlookの5科目が受験できます。試験費用は1科目受験するごとに試験費用が発生し、最大15科目の修得が可能です。


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【MOS（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）】
①勉強時間
20～80時間/科目
②難易度(合格率)
約80%
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デジタルトランスフォーメーションなど企業のデジタル化を進めるうえで、ITに関する知識を持った人材は企業からの需要があります。

ITパスポートはIT関連業務の入門的な資格であり、IT化をすすめている多くの企業に対してアピールできるメリットがあるでしょう。

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【ITパスポート】
①勉強時間
100～180時間
②難易度(合格率)
約50%
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簿記検定は、おもに経理関連の知識とスキルをアピールできるため、ビジネスパーソンが取ってよかった資格の中でも最上位に位置しています。特に女性は事務従事者の割合が高いため、事務関連の転職において大きなメリットがあります。

簿記初級から3級、2級、1級とレベルがあり、ステップアップを目指すことができる点も魅力です。

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【簿記検定】
①勉強時間
・簿記1級：500～700時間
・簿記2級：250～350時間
・簿記3級：120～140時間
②難易度(合格率)
・簿記1級：約10%
・簿記2級：約25%
・簿記3級：約45%
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宅地建物取引士（宅建士）は不動産取引のスキルをアピールでき、不動産業界の転職に有利な国家資格です。

不動産取引には宅地建物取引士（宅建士）の資格を持っていないと実施できない業務があり、従業員5人当たり1人の宅建士を配置することが定められています。

なお、宅地建物取引士（宅建士）として業務をおこなうためには、試験合格後に資格登録をおこない、宅建士証の交付を受ける必要があります。


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【宅地建物取引士】
①勉強時間
350～500時間
②難易度(合格率)
15～17%
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ファイナンシャルプランナーは、顧客のライフサイクルに合わせてあらゆる面でサポートできる知識を証明する資格になります。

金融資産、不動産、税金、生命保険など様々な知識を総合的に学習するため、金融業界をはじめ、不動産、住宅関連業界への転職に有利です。

国家資格のFP技能士は、1級～3級まであり、1級が最上位資格となります。

一方、民間資格である「AFP資格」「CFP資格」では、「CFP資格」が最上位資格です。


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【ファイナンシャルプランナー】
①勉強時間
・FP技能士1級：600時間
・FP技能士2級：300時間
・FP技能士3級：120時間
・CFP資格：500～600時間
・AFP資格：1カ月～1年
②難易度(合格率)
・FP技能士1級：約11%
・FP技能士2級：25～30%
・FP技能士3級：約70%
・CFP資格：約7%
・AFP資格：約60%
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秘書はもちろん、さまざまな職種で必要とされる一般常識や敬語の使い方など社会人に欠かせない知識が身に付くため、転職にメリットがあります。

レベルに応じてスキルアップができる点も魅力的です。


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【秘書技能検定】
①勉強時間
・1級：60～180時間
・準1級：60～180時間
・2級：60時間
・3級：40時間
②難易度(合格率)
・1級：約26%
・準1級：約39%
・2級：約55%
・3級：約70%
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医療事務は女性の転職で人気の職種です。
医療事務の資格はいくつかあり、それぞれ異なる協会が認定を行っている民間資格となります。資格がなくても仕事はできますが、入門的な資格を通信講座で勉強して資格を取得して転職するのが一般的です。

代表的な医療事務の資格に「診療報酬請求事務能力認定試験」「医療事務技能審査試験（メディカル クラーク(R)）」「医療事務管理士技能認定試験」などがあります。また、「診療報酬請求事務能力認定試験」などの難易度が高い資格を取得していけば、より転職に有利となるでしょう。


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【医療事務】
①勉強時間
・診療報酬請求事務能力認定試験：300時間～500時間
・医療事務技能審査試験（メディカル クラーク(R)）：200時間～300時間
・医療事務管理士技能認定試験：200時間～300時間
②難易度(合格率)
・診療報酬請求事務能力認定試験：約30%
・医療事務技能審査試験（メディカル クラーク）：50%～70%
・医療事務管理士技能認定試験：50%～70%
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転職で介護業界を希望する場合のスタートになる資格です。

介護職員初任者研修試験の講座期間の目安は4カ月程度で、研修終了後に介護職員初任者研修を受講したスクールで試験を行います。


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【介護職員初任者研修】
①勉強時間
150～190時間
②難易度(合格率)
25%～19%
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保育士は女性の割合が多い、女性に人気の仕事の一つといえるでしょう。保育士はスキルと経験を積んでいくことで、長期にわたり働ける職種でもあります。

その理由は、保育士は需要が高く、女性のライフイベントを優先していったんやめても、働きたいタイミングで復帰できるからです。また、保育士を必要とする施設はどこの地域にでもあり、どこでも働けるのもメリットです。

女性が自分のライフスタイルに合わせて一生働ける資格のひとつといえるでしょう。


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【保育士】
①勉強時間
150～190時間
②難易度(合格率)
25%～19%
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働く女性が増え、女性も人生の長い期間仕事をすることが一般的になりました。自分のライフスタイルに合わせて転職をしていく際に、資格は有利に働きます。即戦力を求める転職の場面で、資格はスキルを明確に証明する後ろ盾になるからです。

また、転職で新たな職種にチャレンジする場合には、資格は転職で有利なだけでなく、実務に活かせる事前準備として役立ちます。資格を武器に転職でステップアップを目指してみてはいかがでしょうか。

※掲載している情報は2021年12月時点のものです。
編集／サンキュ！編集部