そもそも複利ってなに?
まずは、冒頭でも触れた「複利」とはなにかからご紹介します。
複利とは、銀行預金の利息や投資の利益が、さらに預金・投資を続けることにより、その利息や利益に対しても利息や利益が発生することです。
たとえば、10万円を元本として資産運用して1万円の利益が出たとします。その後も投資を続けると、元本の10万円だけではなく利益の1万円に対しても利益が発生します。これが複利です。
複利は「雪だるま」で例えられることが多く、最初の雪玉を元本、雪玉を転がすことで大きくなっていく様子を複利というイメージです。
複利の力が働くことにより、元本と複利の合計が徐々に多くなっていき、長期で運用するほど加速度的に利益を生むことができます。
20年間毎月1万円を預金した場合と、年利2%で運用した場合のシミュレーション
では、月1万円の飲み会代を投資した場合、どれほどの利益が生まれるのでしょうか。
ここでは、20年間毎月1万円を預金した場合と年利2%で運用した場合のシミュレーションをご紹介します。
タンス預金した場合
まず、銀行預金や資産運用をすることなく、自宅で現金を保管するいわゆる「タンス預金」の場合。
タンス預金だと常に自宅に現金があるため、もちろん利息や運用益は発生しません。
そのため、20年間毎月1万円をタンス預金すると、元本240万円のみが貯まることになります。
銀行預金した場合
続いて、銀行に毎月1万円預金する場合。
タンス預金とは違い、銀行預金には残高に応じた利息がつきます。そのため、銀行預金の場合は、利息にも利息がつく「複利の力」が働きます。
しかし、現在は銀行預金の金利は非常に低く、大手のメガバンクだと0.001%、高金利と言われるネットバンクでもほとんどは0.1%以下です。
利息を0.001%で計算した場合、20年後は元本240万円で利息は97円。0.1%で計算しても19,214円の利息という計算になります。
バブル時代は金利が6%を超えていた時期もあり、それと比べると金利はほとんどつかないとも言えるでしょう。
あまりにも金利が低いと、複利の力が働いたとしても大きな利益を生み出すのは難しいのです。
年利2%で運用した場合
続いて、積立投資などで毎月1万円を投資し、年利2%で運用した場合。
元本と利益をあわせて2,947,968円まで増える計算になり、投資により元本は122.8%まで増えたことになります。
2年目は年間で約5,000円の利益しか発生していませんが、20年目には約54.8万円の利益が発生します。
240万円の年利2%は48,000円ですが、複利の力が働くことにより、20年で50万円を超える利益を生み出すことができるのです。
このように、元本とあわせて利益も積み上げていくことにより、雪だるま式に利益を増やしていくことができます。
長期運用で利益を出すポイントはドルコスト平均法と自動積立
複利の力が働くことにより、少額の投資でも大きな利益を生むことが分かりました。
しかし、上記のように年利2%の資産運用を行うのはそう簡単ではなく、自分で投資を行っていると大きく損をしてしまうこともあります。
そこで、少額投資の長期運用で、安定的に利益を生むために重要となってくるのが、「ドルコスト平均法」と「自動積立」です。
ドルコスト平均法とは?
ドルコスト平均法とは、相場の変動にかかわらず、"常に一定の金額"を"定期的"に投資しつづける手法です。
相場が良くても悪くても一定の金額・期間で投資を行うため、相場が上がっていれば購入口数が減り、相場が下がっていれば購入口数が増えます。
これにより、取得価格が平均化され、価格変動リスクを抑えることができます。
自動積立とは?
自動積立とは、毎月決まった金額を積み立てていく投資手法です。
ドルコスト平均法を手動で行うと、どうしても相場が悪いときに投資することにためらってしまいます。
しかし、毎月1万円と自動積立で設定していれば、相場に関係なく淡々と投資ができるため、相場の上下に一喜一憂することも少なくなります。
複利の力でお金を増やそう!
毎月の飲み会代1万円を20年間積立投資した場合、年利2%で運用できれば50万円を超える利益が生まれることになります。
積立や投資は複利の力が働くことにより、大きな利益を生み出すことが可能です。
ぜひ、資産運用をする際には、複利の力が生まれるような投資を行ってみてください。
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