ZEH住宅とは

ZEH住宅のZEHとは、net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語のことです。太陽光発電による電力の創出や省エネ設備の導入などにより、「使うエネルギー≦創るエネルギー」を目指している住宅と考えるとわかりやすいかもしれません。

ZEH住宅と認められるためには細かな要件を満たす必要がありますが、おさえておくべき主な要素は以下の3つです。

・断熱:暑さや寒さの影響を受けにくいような断熱性能が備わっているか
・省エネ:省電力稼働の冷暖房や各種設備で無駄な電力をカットできているか
・創エネ:太陽光発電などエネルギーを生み出す設備が設置されているか

ZEH住宅のメリット

太陽光発電パネルを設置した屋根

ここでは、ZEH住宅のおもなメリットについて見ていきましょう。

光熱費の削減につながる

ZEH住宅の最大のメリットは、光熱費の削減が期待できることです。また、自家発電した電力量が家庭の消費量を上回った場合、余った分を電力会社に買い取ってもらえるのも嬉しいポイントといえるでしょう。

また、下のデータからもわかるように光熱費が高くなりやすい冬の時期を除けば、エネルギーコストはプラスで推移しています。年間エネルギーコスト収支も一戸あたり42,461円のプラスとなっており、ZEH住宅を導入することで光熱費削減につながります。

非常時の電力を蓄えられる

ニュースや新聞などで、「台風や地震といった災害で大規模な停電が発生した」といった情報を見聞きすることがあるかもしれません。ZEH住宅では発電した電気を蓄えられることから、非常時であっても電気を使用できます。(※)

また、電気自動車の充電にも使えることから充電スタンドまでわざわざ足を運ぶ必要がありません。

(※電気を蓄えるためには蓄電池が必要です。蓄電池がない場合、太陽光が届かない夜間に電気を利用することができません。)

補助金や住宅ローン減税の対象になる

国が力を入れて住宅のZEH化を推進していることもあり、ZEH住宅は補助金や住宅ローン減税の対象となります。戸建て住宅に対するおもなZEH住宅補助金制度は、「ZEH」「ZEH+」「次世代ZEH」の3つが対象です。

【ZEH住宅の区分】
  概要
ZEH 外皮の高断熱化・高い省エネ性を兼ね備え、かつ再生エネルギーの導入によって年間の一次エネルギー消費量の収支ゼロを目指した住宅(エネルギー削減率は省エネ基準比20%以上)
ZEH+ ZEHよりも高性能で、省エネ基準比25%以上の一次エネルギーの削減を目指した住宅
次世代ZEH ZEH+よりも高効率な省エネ設備を備え、再生エネルギーなどのさらなる自家消費の拡大を目指した住宅

それぞれ、どこに該当するかで申請できる補助金制度や補助金額が異なります。ZEHの補助金制度は公募期間が定められているため、いつから申請できるのかこまめにチェックしておくことが大切です。制度の詳細について興味がある方は、以下のページで確認してみてくださいね。

ZEH住宅のデメリット

ZEH住宅にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここではおもなデメリットを2つ取り上げてみました。

建設コストが高くなりやすい

ZEH住宅は一般的な住宅と比べ、建設コストが高くなりがちです。太陽光発電システムをはじめとする各種省エネ機器の設置に費用がかかることはもちろん、それらを定期的にメンテナンスする際もお金がかかります。そのため、ZEH住宅を建てる際はランニングコストも合わせて考えることが大切です。

発電量が天候などに左右される

太陽光発電はその名の通り、太陽光を利用して発電します。そのため、雨や曇りなど天気の悪い日をはじめ、日照時間が短い梅雨や冬の時期も発電量が少なくなってしまうでしょう。また、ZEH住宅では余った電力を買い取ってもらうことができる一方、売電価格は年々減少傾向にあります。利益を求めてZEH住宅を検討している方は、慎重に考えたほうがよいかもしれません。

まとめ

今回の記事では、ZEH住宅の概要やメリット・デメリットについてお伝えしました。ZEH住宅は一定の要件を満たすことで補助制度の対象となります。とはいえ、補助金制度は申請時期が決まっているほか、申し込みの受付も先着順となるケースが多いため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。


・本コラムは情報提供を目的としており、記載されている情報を利用したことで発生した損害に対し、当社は責任を負わないものとします。
・当社は本コラムについて、掲載内容の正確性・完全性・信頼性・最新性を保証するものではありません。
・本コラムの情報は2023年5月時点のものです。