災害時、大人だけならなんとかなっても"子どもがいる大変さ"を痛感

子どもを腕に抱える女性monzenmachi/gettyimages

東日本大震災当時、長男はまだ1歳7カ月でした。家族は全員無事でしたが、スーパーは前の晩から並ばないと買い物ができず、子連れには無理。停電で満足に料理ができず、いつもと違うごはんを長男は全然食べてくれない。ストレスのせいか夜泣きもひどくなりました。子どもがいる家庭は、災害時、特に大変です!

アベナオミさんが被災体験のあるママたちの「困った」に回答!

子どもが非常食を食べてくれなかった!

様々な缶詰digicomphoto/gettyimages

食料は食べ慣れた物や好きな物をストックしておきましょう。
非常食として特別な物を用意するのではなく、缶詰やレトルト食品など普段から食べ慣れている物を多めにストックしておくのがおすすめ。特に子どもは、慣れない物はなかなか食べてくれません。非常時だからこそ「いつもの味」を!

うちはオール電化。停電したらごはん作りをどうしよう!?

鍋の下のコンロの青い火stoickt/gettyimages

カセットコンロやBBQセットを用意しておきましょう。
電気を使わない調理器具を普段から身の回りに置き、定期的に利用するのが◎。最近は火を見たことがない子どももいるので、「火は熱くて危険」と教えておくのもポイントです。

子どもがアレルギー持ちです。避難所行きはやめるべき?

子どもの服にアレルギーシールを貼っておきましょう。
いろいろな人が集まる避難所。親切心であげたお菓子でアレルギー反応が!なんていう事故も考えられます。子どもの洋服に「アレルギーがあります!」と書いたシールを貼っておくと安心です。

断水が続き、水がたりなくなった

ハンド スプレー クリーナー プラスチック ボトルakiyoko/gettyimages

水は使う順番を工夫して節約を。スプレーボトルがあると便利です。
水は1日1人3リットル必要といわれています。これは飲み水のほか、料理や洗い物用も含めてのこと。レトルト食品を温めたお湯がさめたら体拭きに使うなど、貴重な水は使う順番を工夫しましょう。スプレーボトルがあると、少しの水で手洗いや食器洗いができます。

洗い物が充分にできずストレスだった

透明ポリエチレン食品フィルムのロールを使用している女性の手FotoDuets/gettyimages

ペーパーやラップを活用して洗い物は極力出さない工夫を。
いちばん水を多く使うのが洗い物。しかも使った水は再利用ができません。非常時は洗い物を出さないのが第一です。ペーパーやラップを使い、洗わずにすむ工夫をしましょう。

停電でテレビもスマホもダウン。情報が入らなくて不安だった

シルバーの充電器MileA/gettyimages

モバイルバッテリーは必須です!
携帯電話は通信手段であると同時に情報収集には欠かせない道具。停電しても充電が行なえるモバイルバッテリーは必ず用意しておきましょう。専用の器具があれば車でも充電ができますが、忘れてはならないのがガソリン。半分以下になったら給油するなど、普段から備えましょう。

トイレが流れない!

家族分の携帯用トイレを用意しておきましょう。
災害時は「トイレは流さない」が鉄則。たとえ水が流れても下水管が破裂していたり、マンションでは下階に汚水が漏れるなどのトラブルも考えられます。携帯用トイレを用意し、家族で事前に使ってみるのがおすすめです。

子どもを背負って非常袋なんて持てない!

赤色のバックパックPogonici/gettyimages

まだ歩けない子どもを抱えて重い非常用持ち出し袋を持つのは無理です。また、外出時に災害に遭う可能性を考えて、普段のママバッグに携帯用トイレやスマホバッテリー、ライトなど、災害時に役立つ物をプラスしておきましょう。最強のママバッグになりますよ。

子どもと離れているときに被災したら…

幼児の場合は迷子札をリュックなどにつけましょう。家族写真も入れておくと、災害時の混乱のなかでも家族に引き継ぎやすくなります。家族でいざというときの行動を決めておくのも忘れずに。

避難所でいろいろな人と一緒になるのが不安

なるべく一人行動にならないよう心がけましょう。
避難所に集まるのは近所の人だけではありません。いろいろな人が集まり、また、人の出入りも多くなります。性的な被害やトラブルを防ぐためにも、なるべく一人行動は避け、夜は明かりを持参。離れるときは家族にひと声かけるのを忘れずに。

災害時に生理がきてしまった

生理用品を持つ手FotoDuets/gettyimages

生理用品は切らさずストックしておくこと。
生理用品などは支援物資では手に入らないことも多く、数には限りがあります。また、避難所など多くの人がいる場所で経血を気にするのもストレス。生理用品は多めにストックしておくのがベストです。

通っている病院が被災してしまった!

ハザードマップを見る際、自宅や家族に関係する場所だけではなく、通院している病院などもチェックしておくのがおすすめです。また、かかりつけの病院の提携先などを調べておけば、いざというときに役立ちます。

メイクやヘアを気にするのは不謹慎?

赤いバンダナEkaterinaZakharova/gettyimages

できることで工夫するのはOK。
災害時だからといって我慢ばかりするのではなく、できる範囲で気持ちが明るくなる方向に進むことも大切です。メイクまでは難しくても、ベタついた髪をまとめたり、帽子やバンダナで覆うだけでも気分は変えられます。

洗濯ができず、下着が替えられなくて不安だった

下着の洗濯がままならないことを考えて、おりものシートを用意しておきましょう。下着にあてておくだけで、不快感が軽減。また、清潔も保てます。

防災の備えチェックリスト

●自宅避難用ストック

電気、ガスが止まっても、3日間は過ごせる量の食料・水を備蓄しておくことが基本。また、節水のためのグッズなどもあると便利です。

複数の飲料水の入ったボトルAnna Kim/gettyimages

■ カセットコンロ・燃料
■ ライト・ランタン
■ 携帯用トイレ
■ レトルト食品・乾物
■ ラップ・アルミホイル
■ キッチンばさみ
■ バケツ・たらい
■ 水
■ トイレットペーパー
■ ゴミ袋
■ 保存のきく食品

●非常用持ち出し袋の中身

避難時にいちばん大切なのは命を守ること。あれこれ詰め込まず、必要な物を吟味して安全に持ち出せる量にまとめましょう。

災害時の緊急食糧zepp1969/gettyimages

■ ライト・ランタン
■ 健康保険証の控え
■ 数日分の着替え
■ 保温用アルミシート
■ 携帯用トイレ
■ ラジオ・電池
■ 軍手・マスク
■ ビニール袋
■ 救急セット
■ 常用薬
■ 水
■ ウエットティッシュ
■ 携帯食
■ 携帯電話・モバイルバッテリー

編集/サンキュ!編集部
※『サンキュ!』17年10月号~22年4月号に掲載された記事を抜粋、加筆、再編集しています。名前、年齢、家計などについての情報は、取材当時のものです。
※名前は本人の希望により仮名を使用している場合があります。
※都道府県名、年齢、住居形態、間取り図は、事情により掲載していない場合があります。

参照:『サンキュ!』2022年8月号「捨て方事典」より。掲載している情報は2022年6月現在のものです。