燃費の節約を積み上げられる「エコドライブ」って?

一定の距離をどれだけの燃料で走れるかという「燃費」は、車種によって異なりますが、運転の仕方でも変わります。つまり、乗り方を工夫すれば、ガソリンの節約につながるというわけです。
その参考にしたいのが、環境省が奨励する低燃費と安全を考えた運転「エコドライブ」です。そのポイントをいくつかご紹介しましょう。

ゆっくりスタートするだけで燃費が10%程度アップ

発進する際は急発進するのではなく、アクセルを穏やかに踏んで発進するだけで、10%程度燃費が改善します。最初の5秒で、時速20km程度が目安です。

車間距離をとり、加速・減速は少なめに

車間距離が短くなると、ムダに加速・減速を繰り返すことが増えます。これにより、市街地では2%程度、郊外では6%程度も燃費が悪化するのだとか。車間距離をしっかりとって、速度変化の少ない運転を心がけましょう。

減速、停止、坂道を下るときはエンジンブレーキを活用して

信号が変わるなどで停止するとき、早めにアクセルから足を離すと、エンジンブレーキが作動して2%程度燃費が改善します。減速するときや坂道を下るときも、エンジンブレーキを活用するのがおすすめです。

車内暖房を使うときはエアコンをオフに

車のエアコン(A/Cボタン)と家庭用のエアコンとは、機能が少し異なります。家庭用エアコンには冷房、暖房、除湿の切り替えボタンがありますが、車は電気自動車を除き、冷房、除湿のみの切り替え。暖房はエンジンの熱を利用して行われます。

車の暖房だけを使うときは、A/Cスイッチはオフにするのが正解。たとえば、車内の温度設定が外気と同じ25℃の場合でも、エアコンスイッチをONにしたままだと12%程度も燃費が悪化するのだそうです。冷房が必要なときも、冷やしすぎに注意しましょう。

道に迷って10分走ると燃費が約17%も悪化!

ドライブ中に道に迷い10分間余計に走行すると、なんと17%程度、燃料の消費量が増すのだとか。車のナビだけに頼らず、出発前にしっかり経路や交通情報をチェックして、ムダ走りを防ぐことも大切です。

車内の荷物や外装品も燃費に大きく影響

燃費は荷物の重さにも大きく影響されます。たとえば、100kgの荷物を載せて走ると、3%程度燃費が悪化するそうです。必要のない荷物は車からこまめに下ろす習慣をつけましょう。
燃費は空気抵抗の影響も受けるので、スキーキャリアなどの外装品も使用しないときには外すのが正解です。

以上の点を注意するだけでも、ずいぶん燃費が改善されるのではないでしょうか。
環境省COOL CHOICEの「ECO DRIVE」ページでは、このほかにも10分間のアイドリング(エアコンOFFの場合)で130cc程度の燃料を消費するなど、エコドライブのポイントが紹介されています。ぜひチェックしてくださいね。

ライドシェアやネット振り込みなど、車利用の回数も見直して

運転の方法以外に、乗り方を工夫することもガソリンを節約につながります。その1つが「ライドシェア」。その名のとおり、1つの車を皆でシェアして乗ることです。

車が生活に欠かせない地域などでは、車を1人1台使っている場合が少なくありません。でも、移動の予定などを家族で調整し、いっしょに同じ車に乗るなどして、あえて家族で1台の車を使うことで、ガソリンの消費量を減らすことが可能です。

また、食材を買いにスーパーに車で行っているならば、買い物を毎日ではなく週2回に減らしたり、銀行の入金確認や送金といった手続きも、銀行に行かずにインターネットバンキングで行えば、車に乗る回数そのものを減らせます。

最近は固定資産税や国民健康保険税、水道料金などもコンビニや金融機関へ行くことなく、PayPayやLINEPayなどコード決済ができるスマートフォンアプリで支払うことができます。支払いができる公共料金や決済手段は自治体によって異なりますので、お住まいの自治体のホームページや納付書の裏面で確認しましょう。

これらを習慣にすれば、一時的な節約ではなく、今後もずっと家計にやさしい車の使い方ができるようになります。つまり、ガソリン代を節約することは、家計改善に大きく役に立つということ。ぜひ、この機会に見直してはいかがでしょうか?

※今回ご紹介した情報は2021年12月時点の取材情報を基にしています。

編集/サンキュ!編集部
取材・文/かきの木のりみ