ハワイ(アメリカ)旅行の海外旅行保険の選び方

ハワイは年間を通じて多くの観光客が訪れる人気のスポットです。旅行中に遭遇するトラブルには、どのようなものが考えられるのでしょうか。ハワイの医療事情も踏まえながら説明していきます。

ハワイ(アメリカ)の医療費

アメリカは医療費が高い国だといわれています。日本と比較をしてみると、大きな差があることがわかります。

2021年4月時点
アメリカ 日本
救急車の料金 有料 無料
初診料 1万6,500円~3万3,000円 5,000円(大病院/紹介状なし)
入院費(盲腸) 152.2万円~440.9万円(1~3日) 30万円(6~7日)

日本の健康保険では国民の全てが加入できる「国民皆保険制度」を導入しており、患者が自己負担する医療費の額は全体の3割程度です。一方で、アメリカでは全額個人で負担をすることが少なくありません。

アメリカの公的な医療保険は65歳以上の高齢者、もしくは障害者を対象にした「メディケア」と、低所得者向けの「メディケイド」の2種類のみです。その他の国民は民間の保険へ加入が推奨されていますが、未だ無保険の人が多い傾向です。

また、日本では全国一律で医療費が変わりませんが、アメリカは州によっても費用が異なります。年齢や所得、住む場所によってさまざまな格差があるのが実情です。

ハワイ(アメリカ)の事例と保険金支払額

ハワイで事故に遭った際に必要になる金額はどの程度なのでしょうか。損害保険ジャパンの海外旅行保険に加入していた人の例を参考に、実際に支払った保険金の額について触れていきます。

事例1)
20代の女性が海水浴中に溺れてしまい、意識不明に。現地のICUに1ヶ月ほど入院後、看護師付添いの上で日本までプライベートジェット機で搬送。現地入院費用、搬送費用として、計1,700万円をお支払いしました。

事例2)
60代の女性が咳と吐き気で病院を受診したところ、心筋梗塞との診断。そのまま13日間入院し、かかった治療費用と搬送費用として約1,311万円をお支払いしました。

ハワイではビーチで過ごす予定の人も多いはずです。万が一海水浴中に事故に遭うと、多くの治療費がかかってしまうので事前の対策が必要です。

ハワイ(アメリカ)の海外旅行保険の選び方

医療費が高額なことから、外務省の公式ホームページでもアメリカにいく際は海外旅行保険へ入るよう推奨しています。1日~3日の入院で100万円以上、さらに期間が長いと数千万円の費用がかかるため最低でも1,000万円の治療費補償があるとよいでしょう。必要な保険料は滞在する日数や旅行者の人数によって変わってきます。複数人での旅行では割引が効く場合があるので、補償可能な期間と併せて保険会社のプランを確認してみてください。

損害保険ジャパンの海外旅行保険「新・海外旅行保険【off!(オフ)】」では、補償の対象期間は最長92日間です。家族で旅行をする場合は賠償責任、携行品損害、救援者費用、航空機寄託手荷物遅延の保険金額を共有する形になるため、一人あたりの保険料を通常よりも安く抑えられます。また、インターネットから申込みをすることで55%の割引(※)が適用されるので、個人でもお得に契約ができます。詳しいプランの内容は、以下のとおりです。

(※)アジア旅行(個人・保険料抑えたいプラン・4日間)において、店頭販売商品(海外旅行総合保険)料率での計算と比較した場合

・パッケージプラン
損害保険ジャパンがおすすめする補償を組み合わせたプランです。「保険料抑えたいプラン」「保険料と補償バランスプラン」「補償充実させたいプラン」の3つから選べるようになっています。
治療費などは保険でしっかりと補いつつ、負担する保険料をできるだけ抑えたい場合は「保険料抑えたいプラン」がおすすめです。家族2人で7日間ハワイを旅行するパターンでは、一人あたり640円の割引が適用され、保険料は2人で4,280円となります。

・オーダーメイドプラン
補償内容を自由に組み合わせられるプランです。クレジットカード付帯の海外旅行保険をメインにしたい人や、希望に沿ったプランを自分で組み立てたい人にも適しています。それぞれのプラン例について見ていきましょう。

例1)クレジットカード付帯の海外旅行保険をメインに、ハワイで7日間旅行をする場合

カードにより補償内容は変わりますが、人気の高い海外旅行保険付きのクレジットカードでは、次のとおりの補償内容を設けています。

補償内容 支払額
傷害死亡・後遺障害 2,000万円(最高額)
傷害治療費用 200万円(1事故の限度額)
疾病治療費用 200万円(1疾病の限度額)
賠償責任(免責なし) 2,000万円(1事故の限度額)
救援者費用 200万円(年間限度額)
携行品損害(免責金額3,000円) 20万円(年間限度額)

突然の事故で入院したときに備えて、上記に傷害治療費用と救援者費用を上乗せします。損害損保ジャパンの海外旅行保険で治療費用と救援者費用を500万円ずつ補償すると、オーダーメイドプランの保険料は個人で1,530円です。

例2)治療費と携行品損害の補償のみでハワイを5日間旅行する場合

入院した場合と荷物の破損などに備えて、治療費と携行品損害の補償を組み合わせます。治療費用を500万円、携行品損害費用を20万円補償する内容では、必要な保険料は個人で1,540円です。

台湾・韓国などアジア旅行の海外旅行保険の選び方

次に、台湾・韓国といったアジアの国々を旅行する際に注目したい保険選びのポイントについて解説していきます。気軽にいける海外旅行先として人気ですが、医療はどの程度の水準なのでしょうか。

台湾・韓国(アジア)の医療費

外務省の海外安全ページにあるとおり、台湾の医療は非常に高いレベルです。台湾と韓国は日本と同じく国民皆保険制度を取り入れており、6ヶ月以上の長期で滞在する場合は外国人であっても加入できます。韓国では病院のグレードによって患者の負担額が変わる点が特徴的といえるでしょう。

なお、アジア全土で都市部に比べて地方では医療制度が整っていないことが多いです。中国の都市部では日本語が通じる外資系の医療機関もありますが、地方にはありません。医療レベルが低い地域では、治療のために日本まで帰国することもあります。海外医療情報センターによると韓国や中国といった東アジアから日本への搬送費用は約250万円~350万円と高額です。

台湾・韓国(アジア)の事例と保険金支払額

台湾・韓国などのアジア地域で実際に起こった事故例を元に、かかった保険金額についても確認していきましょう。

事例1)
暴漢に襲われ、右鎖骨を骨折する被害に。治療費として53万円をお支払しました。

事例2)
人混みの激しい場所で、リュックの外ポケットに入れていたレンタルの携帯電話が盗まれたとのこと。レンタル会社より損害賠償の請求があったため、賠償責任の費用として21万円をお支払しました。

上記のとおり、アジア圏ではケガの他にスリなどの被害に遭うこともあるようです。巻き込まれないように対策をすることはもちろん、保険に入っておくといざというときでも安心です。

台湾・韓国(アジア)の海外旅行保険の選び方

アジアの医療費は安い傾向ですが、医療レベルなどの理由で日本に医療搬送されると高額な移送費がかかります。また、スリや置き引きといった被害に遭うリスクも考えられます。アジア圏内では搬送費に200万円~400万円前後の金額がかかるので、500万円ほどの補償内容であれば安心です。パッケージプランから適したものを選んでもいいですが、自由に組み合わせられるオーダーメイドプランもおすすめです。それぞれの希望に合わせた例をいくつか見ていきましょう。(いずれもアジアで7日間旅行をした場合)

例1)クレジットカード付帯の海外旅行保険に必要な補償をプラスする場合

前述したクレジットカード付帯の海外旅行保険では、救援者費用に200万円、携行品損害に20万円の補償を設けています。
この二つをさらに手厚くするために、損害保険ジャパンの新・海外旅行保険【off!(オフ)】で救援者費用を500万円、携行品損害に20万円の補償金を上乗せさせます。このときに必要なオーダーメイドプランの保険料は、個人で590円です。

例2)治療費と搬送費、盗難で受けた損害を補償する場合

盗難被害に備えるには、携行品損害の補償が必要です。治療費用と救援者費用を500万円ずつ、携行品損害を20万円の内容でプランを組むと、支払う保険料は個人で1,920円です。

ヨーロッパ旅行の海外旅行保険の選び方

多くの世界遺産や美しい街並みが特徴のヨーロッパも、人気の高い旅行先です。医療制度や治安にはどのような傾向があるのでしょうか。

ヨーロッパの医療費

医療制度は充実しており、イギリス、スウェーデンは日本と同じ国民皆保険制度を導入しています。医療費の患者負担額もイギリスとドイツでは原則無料です。ただし、基本的に加入には長期の滞在が必要なので、旅行者が入ることは難しいでしょう。海外旅行保険に未加入であれば、医療費は全額負担することになります。イギリスのロンドンでは、盲腸で2日間入院した場合、74万円ほどの費用がかかります。

ヨーロッパの事例と保険金支払額

ヨーロッパは場所によって治安が悪く、スリなどの盗難被害に遭うことも少なくありません。高額な医療費への対策だけではなく、犯罪に巻き込まれないように注意が必要です。

事例1)
買い物中にリュックの中身を開けられ、デジタルカメラなどを盗まれる被害に。携行品損害保険金として、約17万円をお支払しました。

事例2)
航空会社のストライキで帰国の便が欠航に。翌日も飛行機が動かず、宿泊代と予約していた別のホテルのキャンセル費用が発生してしまいました。航空機遅延費用として、約1万5,000円をお支払しました。

ヨーロッパでは、ストライキが出入国に影響する場合もあるようです。国によっては頻繁に起こることなので、事前に考慮しておきましょう。

ヨーロッパの海外旅行保険の選び方

ヨーロッパ旅行での保険には医療費の補償が欠かせません。また、ほとんどの国で日本よりも治安が悪い傾向のため、海外旅行保険で対策をしておきましょう。

パッケージプランの中から選ぶことはもちろん、起こりうるリスクに特化したプランを自由に組み合わせることもおすすめです。想定されるリスクに備えたオーダーメイドプランの例をいくつか紹介します。(いずれもヨーロッパで7日間旅行をする場合)

例1)クレジットカード付帯の海外旅行保険に必要な補償をプラスする場合

基本的な補償はクレジットカードの海外旅行保険でまかなえているので、高額な医療費や盗難被害、ストライキなどで飛行機が動かなくなってしまった場合の損害補償をプラスします。
治療費で500万円、携行品損害として20万円、航空機寄託手荷物遅延等費用で10万円上乗せすると、「新・海外旅行保険【off!(オフ)】」保険料は個人で2,330円です。

例2)医療費と盗難の損害のみ最低限カバーする場合

医療費の補償には、基本の治療費の他に搬送費を補う分として救援者費用も必要です。治療費用と救援者費用500万円、携行品損害費用20万円分の補償を組み合わせると、個人の保険料は2,320円です。

まとめ

海外旅行前には、保険に入っておくことをおすすめします。日本とは医療費や治安に大きな違いがあるので、万が一のために備えておくと安心です。本記事で設定した補償内容は、過去の事例に沿ったものであり、必要な補償内容は事故の状況によって異なります。旅行の目的や、その国で遭遇しそうなリスクを考慮した上で、自分に合ったプランや補償金額を選んでいきましょう。

※掲載されている情報は、2021年4月時点のものとなります。ご覧いただきました時点と情報が異なる場合もございますので、あらかじめご了承ください。

SJ21-51097(2023.01.16)