ワックスを付けてはいけない場所は前の項で説明しましたが、クルマの外装は塗装仕上げのほかにも、様々な仕上方法が使われています。一般的に表面がツルツルして光沢のある場合はワックスで磨いて良いのですが、ホイールキャップや黒いツヤ消し仕上げなど、樹脂に着色してある部分はワックスでは光りません。こういった場所には樹脂用の保護/ツヤ出し剤を使います。
カーショップに行くと、そういったケミカル剤が何種類か並んでいるはずです。多くの場合ポンプ式のスプレーで、薬剤は乳白色をした物が多いと思います。外装のみならずインパネなど内装にも使えますので一本は揃えておきましょう。
使用方法は磨く部分に直接スプレーし、乾いたタオルなどで拭き上げて仕上げます。樹脂部分が白っぽく浮いた感じになっているときは、表面の細かいシワに汚れが入り込んでいる事が考えられるため、古歯ブラシなどで擦り込むようにすると良いでしょう。
濡れたようなしっとりとしたツヤが出せるのが、このケミカル剤の特長ですが、中にはヌラヌラと光って、やや不自然なツヤが出る物もあります。これが気になる時は仕上げた後に硬く絞ったタオルで水拭きすると、ツヤが抑えられてしっとりとした光沢になります。
石川芳雄