後半では軍手を使い、さらに細かい箇所を洗浄していきます。 ブレーキダストは、国産車の場合、なるべく発生が少ないブレーキの材質を使っていますが、それでも手で拭うと黒っぽい粉がウェスに付いて来ます。欧州車はさらにダストの発生が多く、しばらく洗わないとホイール全体が赤茶けて来てしまう事もあります。 また、ブレーキダストは制動力がより強いフロントブレーキの方に多く発生します。したがって、比較的汚れの少ないリヤタイヤから洗い、カーシャンプーや用具の汚れを抑えつつ作業を進めた方が効率が良いのです。
洗い方は、カーシャンプーを手にはめた軍手に含ませ、ホイールの細かい部分まで撫でるように洗って行きます。ウェスやスポンジを使っても良いのですが、ホイールは複雑な形状をしており裏側に手が入りにくいので、軍手をウェスと考えて指で擦り洗いをするのが最も効率よく洗えます。スポークと呼ばれる棒状の部分の側面や裏側、リムというホイールの縁の部分もタイヤ分の厚み(奥行き)があり、そこまで指を入れて丹念に拭って行きます。
ホイールダストは洗剤液に溶け出すと茶色くドロっとして来るので、洗った場所が分からなくなる事も良くあります。そんな場合は流水で洗い流しながら進めましょう。このとき、同時に手にはめた軍手も洗い流し、握り拳を作って絞った後にカーシャンプーを浸すようにすると、バケツ内のカーシャンプーの汚れを多少遅れらせる事ができます。
どうしても指の届かない奥の方や、隅の部分の拭い残しは、先の細いブラシを使います。古い歯ブラシで十分でしょう。同じくカーシャンプーを含ませ丹念に汚れを落としてください。軍手にしろブラシにしろ、擦っていないところの汚れは水でいくら流しても獲れないほど、ブレーキダストは頑固です。つまりホイール全体を手で拭う必要があるわけで、タイヤ&ホイール磨きが大変とされる理由がここにあります。4本のタイヤ&ホイールをキレイにすると、もう一仕事終了と感じてしまうかも知れません。
しかし、最後にもう一度、流水でタイヤハウスからホイール全体を洗い流す事を忘れないでください。タイヤ周辺はクルマの機械部分露出しています。もちろん防錆処理はしてありますが、カーシャンプーの成分を残すことは感心しません。たっぷりとした水流でよく洗い流しておきましょう。これでタイヤ&ホイールはキレイになりました。続けてボディ洗いに移るため、拭き上げはせず、自然乾燥で良いでしょう。
石川芳雄