著者
ブロニー・ウェア(Bronnie Ware)
オーストラリア生まれ。緩和ケアの介護を長年つとめ、数多くの患者を看取った。その経験を基にして書いたブログが大きな注目を集め、それをまとめた本書は26ヶ国語で翻訳され、世界中で読まれている。イギリスでGuardian紙に掲載された本書に関する記事は、日本でも紹介され、大きな話題を呼んだ。作詞作曲家、作詞の講師でもある。
ブログ http://www.inspirationandchai.com/
【要点1】
「死ぬ瞬間の5つの後悔」は、「自分に正直な人生を生きればよかった」「働きすぎなければよかった」「思い切って自分の気持ちを伝えればよかった」「友人と連絡を取り続ければよかった」「幸せをあきらめなければよかった」である。
【要点2】
もしも死の間際になって、自分の人生を後悔したとしても、ありのままの自分を受け入れ、許すことで、心の平安を手に入れられる。
【要点3】
後悔しない人生を歩くためには、自分の心に正直に生き、すべての幸福に感謝することが大事である。
レビュー
生きている限り、すべての人に死が訪れる。にもかかわらず、命の期限を知ったとき、なぜ人は後悔するのだろうか。本書に登場する患者のほとんどは、自分にはもう時間が残されていないことを知っている。次第に体が衰え、ひとりで動き回ることすらままならない。そのとき、物質的な欲や他人の思惑などにとらわれる必要はなかったと気づき、自分にとって本当に大切なことが見えてくる。そして、それを後回しにしてきた自分に憤りを感じ、後悔を抱く。
介護職として患者に寄り添ってきた著者は、自己肯定感が低く、ありのままの自分を受け入れてもらえなかったというトラウマを抱えていた。患者たちが彼女に胸のうちを明かすのは、彼女独自の経験によって培われた傾聴力と人間性によるのかもしれない。やがて患者は後悔している自分を許し、受け入れることで、穏やかな気持ちを取り戻し、最期のときを迎える。
死を目の前にした人の後悔は、大枠として「死ぬ瞬間の5つの後悔」にまとめられるという。そして、根本の原因は自分の本心に向き合わなかったことにある。
本書を読むと、自分の人生が愛おしくなってくる。いつ人生の終わりが来るかはわからない。自分の人生に、棘のように刺さっている「気がかり」はないだろうか。今、自分自身を変えられれば、後悔しないように人生を歩んでいくことは可能だろう。また、あきらめていた大事なものを取り戻せるかもしれない。後悔しない人生とは何か。改めて考える価値あるテーマではないだろうか。
ブロニー・ウェア(Bronnie Ware)
オーストラリア生まれ。緩和ケアの介護を長年つとめ、数多くの患者を看取った。その経験を基にして書いたブログが大きな注目を集め、それをまとめた本書は26ヶ国語で翻訳され、世界中で読まれている。イギリスでGuardian紙に掲載された本書に関する記事は、日本でも紹介され、大きな話題を呼んだ。作詞作曲家、作詞の講師でもある。
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