著者
平岩 国泰(ひらいわ くにやす)
1974年東京都生まれ。1996年慶應義塾大学経済学部卒業。30歳のとき、長女の誕生をきっかけに“放課後NPOアフタースクール”の活動を開始。2011年会社を退職し、日本の子どもたちの「社会を巻き込んだ教育改革」に挑む。“アフタースクール”は活動開始以降、5万人以上の子どもが参加。グッドデザイン賞を過去に4度受賞、他各賞を受賞。2013年より文部科学省中央教育審議会専門委員。2017年より渋谷区教育委員、学校法人新渡戸文化学園理事を務める。
【要点1】
子育ての究極目標は、子どもの自立である。親は子どもの自立を促す「コーチ」としての役割に徹するとよい。
【要点2】
子どもが自己肯定感を育むためには、子どもがありのままでいられる「安全基地」の存在が重要となる。他人との比較はせず、その子自身の成長をほめるのが望ましい。
【要点3】
大人が子どもの人生の責任を負いすぎる必要はない。「自分は自分、子どもは子ども」という姿勢を貫くことが、子どもの自立を促すことになる。
レビュー
本書は次の問いから始まる。親は子どもに対し、どんな道を進んだとしても、幸せに暮らしていてほしいと願わずにはいられない。だが、そのために親がすべきこととは何なのか。学歴、プログラミング、それともコミュニケーションスキルだろうか。たしかに、これらは子どもの可能性を広げてくれる。しかし、子どもの幸せを保証してくれるものではない。
現代は、「やりたいことがない」という子どもが増加している。放課後NPOアフタースクールの代表理事として5万人の子どもを見守ってきた著者によると、失敗を恐れる子どもたちは、「自己肯定感」が不足しているという。本書では、この自己肯定感をキーワードに、親がどのように子どもに関わっていくとよいかをわかりやすく解説している。
子どもはいつか親元を離れ、自分で道を切り開かなければならない。来るべき日に向けて、親が今すべきことは何か。それは、子どもの失敗につながるような、あらゆる障害を取り除くことではない。子育ての目的は自立であり、自己肯定感を育むことは、子どもの自立を促す。それは、親御さんの子育てへのイライラを軽減することにもつながる。それが著者の一貫した主張だ。
子どもの自立を願う親御さんはもちろん、子どもをすぐ叱ってしまう、子どもにイライラしてしまうなど、接し方に悩んでいる方にも本書をおすすめしたい。読みやすい語り口調と、かわいいイラストが相まって、子育ての合間の読書にもぴったりな一冊である。
平岩 国泰(ひらいわ くにやす)
1974年東京都生まれ。1996年慶應義塾大学経済学部卒業。30歳のとき、長女の誕生をきっかけに“放課後NPOアフタースクール”の活動を開始。2011年会社を退職し、日本の子どもたちの「社会を巻き込んだ教育改革」に挑む。“アフタースクール”は活動開始以降、5万人以上の子どもが参加。グッドデザイン賞を過去に4度受賞、他各賞を受賞。2013年より文部科学省中央教育審議会専門委員。2017年より渋谷区教育委員、学校法人新渡戸文化学園理事を務める。
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