レビュー
何かを「なし遂げる」ことは簡単ではない。仕事で大きな成果を出すというようなこと以外でも、「ダイエットする」「ゲームをやめる」といった身近なことでも難しいのは同じだ。そういったことを「なし遂げる力」を高める方法があるとしたら、誰でもぜひ知りたいと思うだろう。
本書は、UCLAの医学部教授であり、15年に渡って「なし遂げる力」の研究を行ってきた著者が、研究を通じて開発した「人の行動を継続的に変えるための方法」を2年がかりでまとめた一冊だ。といっても、論文のような堅苦しいものではなく、一般向けに書かれたやさしい内容となっている。これらを理解すれば、仕事にもプライベートにも大いに役立つことだろう。様々な事例やケーススタディも紹介されており、自分の生活にも応用しやすいはずだ。
この要約では、著者がまとめた「心に効く7つの力」のうち、「目標を小さく刻む」「簡単にする」「ニューロハックス」の3つを紹介する。これらを読み、もし他の力も気になったなら、ぜひ本書を手に取ってすべての力を学んでみて欲しい。一般的な自己啓発書では「何かをなし遂げたいのなら、自分を変えろ」というメッセージが書かれていることが多いが、本書のメッセージはそれとは真逆である。科学的に裏付けされた、心ではなく行動にフォーカスするアプローチに、目から鱗が落ちることだろう。