著者
お股ニキ(@omatacom)(おまたにき)
ネット上で人気を博す野球評論家。プロ選手にアドバイスすることもあり、中でもツイッターで知り合ったダルビッシュ有選手に教えた魔球「お股ツーシーム」は多くのスポーツ紙やヤフーニュースなどで取り上げられ、大きな話題となった。本書が初の著書となる。
【要点1】
野球で活躍できる選手とは、攻撃ではより得点を増やし、投球・守備では失点を減らせる選手だ。セイバーメトリクスとは、統計・数値からこの観点を追求し、選手の評価や戦略を分析する手法のことである。
【要点2】
分析においては、どうしても主観やバイアスが入ってしまう。セイバーメトリクスの落とし穴はここにある。データ分析の数字を見てリスク回避に終始してしまうと、肝心なところで勝てないことがある。だから結局のところ、データ分析で重要なのは、分析をするセンスと感覚、切り口だ。
レビュー
日本には、野球が深く根付いている。プロ野球の試合がある日は必ずといっていいほど結果が報道されるし、まだ試合をしていない2月のキャンプ期間中ですら、チームの練習風景が連日公開される。高校野球においても期間中は毎日、全試合がテレビ中継される。野球ほど年がら年中、目に留まる機会が多いスポーツは、おそらく他にないであろう。
そんな野球ではほぼ必ず、選手の紹介と合わせて、打者であれば「打率」「打点」「ホームラン」、投手であれば「勝敗」「防御率」といった数字が紹介される。本書が問題提起するのは、こうしたデータの扱い方だ。本書のタイトルにある「セイバーメトリクス」とは、打率などの旧来の指標以上に勝敗に直結するデータを弾き出した上で、選手やチームを分析していく手法を指す。しかしどれだけ多様なデータがあったとしても、最終的にそれを分析するのは人だ。そこにデータの客観性とは相反する「主観」が入り込むことは避けられない。ここに問題があるという。
本書の著者であるお股ニキ氏は、プロ野球選手ではなく、一人の「野球好き」である。にもかかわらず、あのダルビッシュ有投手に変化球のアドバイスができる人物である。ちょっと信じられないような経験を持つ著者だが、おそらく野球の現場にいないからこそ、ちょっと違った視点で野球を見ることができるのだろう。果てしなく深い野球論を、ぜひお楽しみいただきたい。
お股ニキ(@omatacom)(おまたにき)
ネット上で人気を博す野球評論家。プロ選手にアドバイスすることもあり、中でもツイッターで知り合ったダルビッシュ有選手に教えた魔球「お股ツーシーム」は多くのスポーツ紙やヤフーニュースなどで取り上げられ、大きな話題となった。本書が初の著書となる。
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