著者
アンドリュー”バニー”ファン
ハッカー、メイカー、オープンハードウェアアクティビスト。MITにて電気工学のPh.Dを取得。『Hacking the Xbox』著者。ハードウェアスタートアップや雑誌『MAKE』のテクニカルアドバイザーを務める。
【Blog】https://www.bunniestudios.com/
【Twitter】https://twitter.com/bunniestudios
【要点1】
中国には、安価に大量生産するための技術もノウハウもある。しかし、実際に発注を進めるにあたっては、BOMや見積りなどで注意すべき点が多い。
【要点2】
中国のオープンな知的財産の仕組みでは、深刻なニセモノを生み出すこともあるが、わずか12ドルの携帯電話が誕生するなどの革新も起こる。
【要点3】
ムーアの法則の減速は、テクノロジーをクローズドにして大企業が競争優位を維持するという過去のトレンドを変容させる。
【要点4】
ハッキングはものの本質を知るための活動で、ソフトウェアやハードウェアだけではなく、法律や生物学にまで応用可能である。
レビュー
本書を手に取った方は、いたるところに写真付きで解説される具体的で明確なハッキング技術に目を奪われるだろう。それもそのはず、本書の著者は、Xboxをハックしたことで有名な世界的なハードウェアハッカー、アンドリュー”バニー”ファン。しかし、本書は単なるハッキングの解説本ではない。イノベーションを推進するための情報社会のあり方を示唆する良書である。
ハッカーという言葉から読者は悪い印象を受けるかもしれない。しかし本来ハッカーとは、さまざまなものを分析しときには破壊することで、その仕組みや性質を理解しようとする人たちのことだ。本書を読めば気づくはずだ。ハードウェアハッカーとは機械と会話ができる人たちなのだと。今後はIoTが普及して、身の回りのあらゆるものがインターネットにつながるという。ソフトウェアの世界にとどまっていてはテクノロジーの世界では生きてはいけなくなるだろう。
アメリカと中国の断絶が注目されている。その理由の一つは中国の緩くて「オープン」な知的財産システムにあるのだと言われている。しかし、中国式の知的財産管理は完全に間違っているのだろうか。欧米諸国が採用しているクローズドな知的財産の仕組みが新たなイノベーションを生みやすいといえるのだろうか。本書のタイトルにある「破壊」という言葉には、きっと今までの常識や考え方を根底からくつがえすという意味が込められている。
アンドリュー”バニー”ファン
ハッカー、メイカー、オープンハードウェアアクティビスト。MITにて電気工学のPh.Dを取得。『Hacking the Xbox』著者。ハードウェアスタートアップや雑誌『MAKE』のテクニカルアドバイザーを務める。
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