著者
鈴木 祐 (すずき ゆう)
新進気鋭のサイエンスライター。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。近年では、自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、3年で月間100万PVを達成。また、ヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。
【要点1】
文明がここまで発達したにもかかわらず、私たちは依然としてさまざまな問題を抱えている。だがその大半は「文明病」に起因するものであり、個人の意志の弱さや性格に原因があるわけではない。
【要点2】
文明病を解決するためには、まず自分が抱える問題の遺伝的なミスマッチを特定し、そのミスマッチを起こしている環境を修正することが必要である。
【要点3】
現代人の問題は大きく「炎症」と「不安」に大別できる。炎症を防ぐうえでもっとも手軽でメリットが多いのは自然との接触を増やすことであり、不安に対処するうえでもっとも重要なのは価値観を固めることだ。
レビュー
一日寝て起きても疲れが取れず、体がだるい。会社に行っても仕事に集中できず、ミスしてしまう。なんだか能率が悪いと感じる。内臓脂肪が増えて、メタボリックシンドロームと診断されてしまった――。高度に発展した現代においてさえ、私たちはこうした問題を解決できないでいる。
健康上の問題とビジネス上の問題は、ともすると別々のものとして扱われがちだ。だが本書はより根本的な解決法を提示する。それが「進化医学」という視点である。
人類が農耕社会へ移行したのはわずか1~2万年前のこと。約600万年ものあいだ、人類は狩猟採集生活を営んでおり、私たちの体もそうした環境に適応するべく進化してきた。その前提を無視して、たとえば「風邪をひいたら風邪薬を飲む」という対処療法だけをしていても、本当の解決にはならないというのが著者の主張である。
やせたくてもつい高カロリーな食事を選んでしまうのも、じつは人類の体に古代から染みこんだ遺伝的な性質が関係しているという。意志の弱さが原因だと安易に考えていては、的を射たアプローチはできない。ぜひ本書を参考に、「最高の体調」を手に入れてみてはいかがだろう。
鈴木 祐 (すずき ゆう)
新進気鋭のサイエンスライター。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアをテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。近年では、自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、3年で月間100万PVを達成。また、ヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。
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