レビュー
たった600人のスタッフが昼12時までに約7万食をつくり、配達する弁当屋「玉子屋」。1食450円の日替わり弁当のみで年商70億円を稼ぎ出す秘訣は何だろうか? コンビニに卸さず、店頭販売もせず、自社の配達用ワンボックス185台で、一日約7万食を配達している。創業時の1970年代は1日約50食だったというから、「すごい経営」の成果はめざましい。数の予測が難しい弁当で、廃棄率0.1%という驚異的な低さも目をひく。一体どんな魔法を使えばこのようなことが可能になるのだろうか。しかも、配達先は関東のごく一部であるにもかかわらず、その数約1万カ所である。顧客の開拓や維持も簡単ではない上に、配達する物流にも工夫が必要だ。
著者である菅原社長は「玉子屋」の2代目だ。会長から会社を受け継いだころは、1日2万食だった。その後7万食まで伸ばすのだが、その道は平坦ではなかった。悪いことが起きたときにこそ深く考えて行動し、新しい工夫をすることで成功してきている。そこには、人材活用を中心に、著者の経営に対する信念が見え隠れしている。
本書は著者の視点から、玉子屋の「すごい経営」の考え方やノウハウを紹介した本である。多くの中小企業の経営者はもちろんのこと、仕事で悩みを持つ方にとっても、学ぶべき点が多いだろう。是非お読みいただきたい。