レビュー
昨今の「自分を仕事にする」ことがもてはやされる流れを見て、時代に置いていかれているように感じ、モヤモヤしているビジネスパーソンは多いはずだ。そして、どうすれば自分のブランド力を上げられるのかと悩んでいるのではないだろうか。
本書は、そんな悩みに答えをくれる。著者の田端信太郎氏は、まさに自分の名前で生きている“ブランド人”だ。学生のころからウェブ制作の仕事ですでに月収40万~50万円を稼ぎ出し、新卒の就職活動ではマイクロソフトやソフトバンクなど、様々な会社から内定を得る。そして「新卒でないと入社しにくそう」という理由からNTTデータを選び、その後はリクルート、ライブドア、LINEと話題企業を渡り歩いてきた。現在はZOZOの社員だが、“プロサラリーマン”として「並の野球選手以上の収入を得ている」という。
では田端氏は、ブランド人になるために何をしてきたのか。それは愚直な努力である。ひたすら量をこなし、自信がなくても手を挙げてチャンスをつかみ取り、SNSには決して愚痴を書き込まない。プライベートで理不尽を覚えることがあろうと、それを仕事に昇華させている。
本書のサブタイトル「会社の奴隷解放宣言」を含め、一見過激なフレーズが並んでいるようにも思えるかもしれない。だが通読すれば、意外なほどに正統派のビジネス書であることがわかるだろう。厳しい言葉を並べながらも読者にやさしく寄り添ってくれる一冊だ。