著者
沖 大幹(国際連合大学 上級副学長・国際連合 事務次長補)
小野田 真二(地球環境戦略研究機関(IGES)持続可能性ガバナンスセンター研究員)
黒田 かをり(一般財団法人CSOネットワーク 事務局長・理事)
笹谷 秀光(株式会社伊藤園 顧問)
佐藤 真久(東京都市大学 環境学部 教授)
吉田 哲郎(地球環境戦略研究機関(IGES)持続可能性ガバナンスセンター リサーチ・マネージャー)
以上50音順
【要点1】
持続可能な開発目標(SDGs)は、2030年時点での「あるべき世界の姿」の指標となる国際的な目標である。「だれ一人取り残さない(No One Left Behind)」をコンセプトに、先進国と途上国の経済格差問題の解決、そして持続可能な社会の構築をめざしている。
【要点2】
SDGsの実現には企業の協力が不可欠だ。ユニリーバやコカ・コーラといった世界的企業もSDGsに取り組んでおり、環境に配慮しながら利益を上げるという新しいビジネスモデルを創出している。
【要点3】
大きな変化の時代を乗り切るには、多様性・異質性を重視した「マルチステークホルダー・パートナーシップ」が欠かせない。
レビュー
環境汚染、気温の上昇、乱獲による生態系の乱れ、途上国を中心とした人口増加……。いま私たちを取り巻く環境は、多くの面で危機に瀕している。長らく続いた世界的な工業化や経済中心主義により、地球的規模で資源が失われ、このままでは人類の存続すら危ういという。
このような危機的状況を回避し、末永く持続可能な社会を営むために私たちは何をすればいいのか。ここで注目すべきなのが「持続可能な開発目標」、通称SDGs(Sustainable Development Goals)である。いま私たちが抱える問題は、国家単位では太刀打ちできないほどに大きい。国際機関、各国政府、企業、組織団体が一体となり、オールアース(ALL EARTH)で臨まなければ到底解決できないほどに。そんなときSDGsは、社会の「あるべき姿」を描き、その実現に向けた近未来への羅針盤の役割を果たしてくれる。
本書は非常に優れたSDGsの入門書だ。SDGsの成り立ち、日本政府の取り組み、企業における役割や戦略などが、段階を踏んで理解できるようになっている。各章ごとにそれぞれの分野のエキスパートが執筆しているため、偏った内容に陥っていないのも特徴だ。
SDGsの“はじめの一冊”として、これほど最適な本はない。SDGsに興味を持っている方はもとより、幅広い方々にぜひ手に取っていただければと思う。地球の未来は、いつだって他人事ではないのだ。
沖 大幹(国際連合大学 上級副学長・国際連合 事務次長補)
小野田 真二(地球環境戦略研究機関(IGES)持続可能性ガバナンスセンター研究員)
黒田 かをり(一般財団法人CSOネットワーク 事務局長・理事)
笹谷 秀光(株式会社伊藤園 顧問)
佐藤 真久(東京都市大学 環境学部 教授)
吉田 哲郎(地球環境戦略研究機関(IGES)持続可能性ガバナンスセンター リサーチ・マネージャー)
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