著者
山本 高史(やまもと たかし)
クリエーティブディレクター、コピーライター
1961年生まれ。85年大阪大学文学部卒。同年電通に入社。コピーライターとして活躍し、数多くのキャンペーン広告を手がける。2006年に電通を退社、コトバ設立。
TCC最高賞、クリエイター・オブ・ザ・イヤー特別賞など多数受賞。2013年から関西大学社会学部教授も務める。
【要点1】
言葉はすべて提案や欲望の発露である。それが伝わるかどうかはすべて受け手次第だ。送り手は受け手の尺度で考え、受け手にとってのベネフィットを伝える必要がある。そうすれば、送り手の希望する方向に受け手を動かせるようになる。
【要点2】
受け手が何を欲しているのかを想像・発想するには、「脳内経験」を活用して、「脳内データベース」を豊かにすることが重要だ。
【要点3】
受け手に伝わるアウトプットを発想するためには、「アングル」×「ツリー」で複数の視点を持ち、受け手との「共有エリア」に立つことが欠かせない。
レビュー
コミュニケーションは面倒くさくて、厄介で、難しい。誰でも一度は、そう感じたことがあるのではないだろうか。しかし、そこにはいくつかの原因のパターンがあり、それらを解消していけばよい。伝わるしくみをマスターすれば、自分が望む方向に相手が動いてくれる確率が高まる。さらには、仕事やプライベートでのコミュニケーションがもっとラクに、楽しくなる。そんな方法があるなら試さない手はない。
著者は20年以上電通で働き、現在もクリエーティブディレクター、コピーライターとして活躍している。そんなコミュニケーションのプロである著者の実体験をちりばめながら、受け手に伝わらない4つの原因を解明し、その解消策をロジカルに提示してくれるのが本書だ。
第一章では言葉のメカニズム、第二章では「伝える」ためのインプット、そして第三章では「伝える」というアウトプットの方法が、フローチャートや図解とともに紹介されている。そして第四章では、言葉自体がもつ問題の本質を突くという構成だ。
コミュニケーションの原理原則は、「受け手がすべてを決める」ということである。しかも、言葉は常に送り手の「欲望」を発しているという事実に、私たちは気づかなければならない。どういうことかと思ったら、ぜひ「伝わるしくみ」を徹底解明した本書をひらいてほしい。いまこそコミュニケーションの捉え方、伝え方をアップデートさせてみてはいかがだろうか。
山本 高史(やまもと たかし)
クリエーティブディレクター、コピーライター
1961年生まれ。85年大阪大学文学部卒。同年電通に入社。コピーライターとして活躍し、数多くのキャンペーン広告を手がける。2006年に電通を退社、コトバ設立。
TCC最高賞、クリエイター・オブ・ザ・イヤー特別賞など多数受賞。2013年から関西大学社会学部教授も務める。
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