著者
デール・カーネギー(Dale Carnegie)
1888年、米国ミズーリ州の農家に生まれる。大学卒業後、雑誌記者、俳優、セールスパーソンなどさまざまな職業を経て、話し方講座を手はじめに成人教育の講師となり、人間関係の先覚者として名をなす。不朽の名著『人を動かす』『道は開ける』など多数の著作がある。
【要点1】
叱責や脅しでは人を動かすことはできない。相手に行動してもらいたければ「どうしたら相手がその気になるか」を自分に問うことだ。
【要点2】
人々は認められ、尊重されることを常に求めている。相手の話に耳を傾け、心からの関心を示せば、良好な人間関係を築くことができる。
【要点3】
人を説得したいなら、議論をしたり誤りを指摘したりしてはいけない。代わりに、穏やかな対話を心がけ、相手が自ら気づきを得て、考えを改めるよう仕向けることこそ大切である。
レビュー
フライヤーをよく利用している方であれば、本書『人を動かす』が不朽の名著と呼ばれていることはきっとご存じのことだろう。1936年にアメリカで初版が発売されて以来、幾度の改訂を経て今も多くの人々に愛され続けている自己啓発書の先駆けである。
しかし、どのようにしてこの本が誕生したかを知っている人はあまり多くないのではないだろうか。
著者、デール・カーネギーは1888年アメリカ・ミズーリ州の農家に生まれ、大学卒業後は一時俳優を志すも挫折。その後、いろいろな職業を転々としていた。そして1912年、20代半ばで転機が訪れる。もともと教師を志向していたカーネギーは、副業で始めた話し方や人間関係についての講座を開いた。それが好評を博し、講座で使う教材を自作する。その教材こそが本書の発端だ。
カーネギーは哲学書、心理学書、伝記などを大量にインプットし、著名人にもインタビューをするなどして、教材を絶えずブラッシュアップしていった。孔子の思想なども織り交ぜ、洋の東西を問わず、人間心理を深く探究した。そして36年、ついにカーネギーの教材と講座の内容がまとめられ、『人を動かす』が出版されるに至った。つまりこの本には20年以上のカーネギーの授業と研究の成果が詰まっている。
たとえ社会が変わっても、人と人との関係はほとんど不変である。いつの時代も、私たちはほめられればやる気が出るし、自分の抱える問題や悩みに共感してもらえれば気持ちが安らぐものだ。だからこそ本書で語られる人間関係の法則は、今日でも多くの人の心をとらえるのだろう。
デール・カーネギー(Dale Carnegie)
1888年、米国ミズーリ州の農家に生まれる。大学卒業後、雑誌記者、俳優、セールスパーソンなどさまざまな職業を経て、話し方講座を手はじめに成人教育の講師となり、人間関係の先覚者として名をなす。不朽の名著『人を動かす』『道は開ける』など多数の著作がある。
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